９無個性 ページ9
激しいショックで痛む心を抱えながら、私は笑みを浮かべたまま爆豪君に話しかける。
「あー、自分は今日皆と一緒に遊ぶことになったAって言うっス。出来ればお姉さんと呼んで」
「うるせぇおばさん!」
「……もう何でもいいっス。とりあえず緑谷君の髪から手を離すっス爆豪君」
「あ! 離せよっ!」
私はいまだにべそをかいている緑谷君を助ける為、爆豪君を半ば強引に彼から引き離す。
そして、少し離れた場所に彼を置いて泣きべそをかいている緑谷君を抱っこしてあやしてやる。
「よしよし、痛かったっスね。もう大丈夫っスよ」
「うぅっ……ヒグッ……」
「ほぅら、もう泣かない泣かない」
緑谷君の背中をポンポンと軽く叩きながらあやすが、緑谷君はまだ泣き止まない。
そんな彼に、私は出来るだけ優しい声色で話しかける。
「緑谷君は、なんか好きなヒーローとかいないんスか?」
「グズッ……お、おーゆ、まいと……」
「そう、オールマイトが好きなんスね。ならそんなに泣いてると大好きなオールマイトに笑われちゃうっスよ?」
鼻をすする緑谷君の頭を撫でつつそう言うと、彼はポカンとした表情を浮かべた。
そして、ハッとしたかと思ったら両目を袖でゴシゴシと擦り二ッと笑顔を私に見せる。
「うん、いい笑顔っス!」
そう言って笑うと、緑谷君も嬉しかったのかニコニコと子供らしい笑みを浮かべた。
それにしても、オールマイトって言葉を出しただけで泣き止むとは、緑谷君はこの時代からオールマイトが好きだったんだな。
なんて思いつつ、私は緑谷君を床におろす。
私の周りには、泣いていた緑谷君を心配してか他の1-Aの生徒達が集まっていた。
その子達の仲には、私を不審に思っているのか少々不安気な表情を浮かべている子もいる。
そんな子達を少しでも安心させようと、私は彼らと同じ目線にまで膝をおりしゃがんだ。
「大丈夫、自分は君らの味方っス……良ければ、一緒に遊んでは貰えないっスか?」
周りを見渡しながらヘラリと笑って見せると、私の一番傍にいた麗日さんが名前通りの麗かな笑みを浮かべ私の白衣の裾をキュッと掴んだ。
「おねぇちゃん、私と遊ぼっ!」
可愛らしい笑みを浮かべ子供らしい高い声でそう言う麗日さんに、私は思わずキュンッとした。
今一瞬だけ○リコンの気持ちが分かってしまった気がする。
勿論、そんな気は私には無い。
それから私はしばらくの間、警戒心を解いてくれた子供達と子供らしい遊びを一緒にした。
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長月シキカ(プロフ) - メホニアンさん» コメントありがとうございます！マイク先生も相澤先生もかっこいいですよね^ ^ 更新頑張りますのでよろしくお願い致します！閲覧感謝です^ ^ (2017年11月28日 13時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
メホニアン(プロフ) - トマトを食べた後のマイク先生に、キュンとしました。優しい相沢先生に惚れました。更新頑張ってください！！ (2017年11月28日 13時) (レス) id: dbe6c4db20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年11月4日 23時
