８無個性 ページ8
どうしてこうなったのだろうか。
そう思いながら、私はギャーギャーと騒がしい周りに頭痛を覚え始めていた。
微かに痛む頭をさすりながら、私は今の状況になった経緯を思い出す。
確か、緊急装置が作動し駆けつけようとした時に耳につけていた無線から相澤先輩の声が聞こえてその指示に従い1-Aの教室へ向かったんだ。
そして、その教室の扉を開けて今の状況にある。
「……先輩、これどういう状況っスか?」
「"見ての通りだ。雄英に不審者が侵入して、その不審者に応対した1-Aの生徒達にそいつの個性がかっちまったんだ"」
無線機から聞こえてくる相澤先輩の言葉に、私はハァとため息をつきたくなる。
そして私の足元で走り回る"小さな子ら"を見やりながら相澤先輩の言葉の続きを聞いた。
「"そいつの個性は幼児化だ、恐らく意識も幼児化しているだろう"」
「でしょうね。あの爆豪君が生き生きとしてるっスから」
「"そうか"」
そう説明しつつ私は周りを見回す。
今、私の目の前には1-Aの生徒達の面影がある幼子たちが走り回ったりしているのだ。
全く、妙な個性を持った人間もいるもんだ。
そう思いながら、私は相澤先輩に話しかける。
「それで、この個性はいつ切れるんスか? それにその不審者は?」
「"効果は半日、つまり下校時間ギリギリには切れる。まぁ個性かけた本人がいればすぐに消せるが、生憎ミッドナイトの眠り香をモロに嗅いで寝ちまってな"」
彼の言葉を聞き、私は小さく「マジか」と声をもらす。
ミッドナイト先輩の眠り香をモロに嗅いでは、数時間そこらで起きる事はまずないだろう。
「"てことで、不審者はこのまま警察に引き渡すからお前は生徒たちを頼む"」
「えっ! ちょっまっ!」
そう言い切り相澤先輩は私の返事も聞かず一方的に通信を切った。
私の言葉もむなしく応答しなくなった通信機から意識をはずし、私は教室内を見渡す。
「頼むって言われても……こんな小さい子供相手にしたことないんだけどな」
そう呟きながらも、頼まれたからにはちゃんと遂行しなければならない。
と謎の義務感を胸に、私は子供達に笑顔を浮かべ声をかける。
「み、皆〜。ちょっとお姉さんのお話し聞いてくれないっスかね?」
「あ? 誰だよ、おばさん」
「うぇぇ〜痛いよぉ! かっちゃんっ」
泣きじゃくる緑谷君の髪を引っ張りながら私を見る爆豪君の言葉に、私は精神的大ダメージを受けた。
そうか、この子らから見たら私はもうおばさんなのか。
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長月シキカ(プロフ) - メホニアンさん» コメントありがとうございます！マイク先生も相澤先生もかっこいいですよね^ ^ 更新頑張りますのでよろしくお願い致します！閲覧感謝です^ ^ (2017年11月28日 13時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
メホニアン(プロフ) - トマトを食べた後のマイク先生に、キュンとしました。優しい相沢先生に惚れました。更新頑張ってください！！ (2017年11月28日 13時) (レス) id: dbe6c4db20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年11月4日 23時
