１０無個性 ページ10
「Aせんせー次はお馬さんしてー!」
「あー! お茶子ちゃんズルーい! 私も私もっ!」
「俺も俺もー!」
「ちょ、ちょっと待って……腰が……」
私の腕や足や背中にしがみ付く子供達をなだめながら、私は荒くなった息を整える。
子供の体力を甘くみていた、今物凄く腰が痛い。
「切島君、危ないから降りるっス。ちゃんと順番にやるっスから」
「えぇー」
「あれー? ここにはちゃんと順番が守れる男気溢れた子がいたと思うんスけど……男気溢れる子は誰っスかな〜?」
「! はいっ! 俺、切島鋭児郎です!」
私の言葉に背中にしがみ付く切島君が元気よく手をあげて返事をする。
そんな彼に私は笑顔を返しつつ私は腰をおろすと、切島君は大人しく私の背中からおりた。
そして私は順番待ちしていた障子君を肩車する。
彼は幼少期からマスクをしている為、表情が分かりずらいが喜んでいるようだ。
それから子供達のほとんどを肩車し終わり、私は痛む腰と頭をさする。
何故頭が痛いのかというと、肩車して興奮した爆豪君に髪の毛を思いっきり引っ張られたからだ。
正直涙目になるくらい痛かった。
だいぶ痛みが薄らいだ頃、私は隅のほうでポツンとしている子らが視界の端にうつる。
あの子達は、轟君と八百万さんだ。
轟君は隅のほうで体育座りをしているが、八百万さんはポコポコと何かを創造し続けている。
創造された物を見ると、少々歪なミニサイズのマトリョーシカだ。
私はそんな二人にソッと近づき話しかける。
「轟君、八百万さん。あっちで皆と遊ばないっスか?」
「あ、えと……」
「わ、わたくちは……」
二人は私を見上げながら、オドオドといった様子で口ごもる。
普段優秀な二人からは想像がつかないほど消極的な様子に、私はどう声をかけたらいいか分からなくなってしまった。
彼らの過去を詳しくは知らない私だが、二人の様子を見る限り幼少期に同じ年ぐらいの子達と遊んでいなかったのだろう。
だから、今遊び方が分からないのかもしれない。
そう思うとなんかいたたまれなくなった私はかける言葉を考え口にする前に、二人を優しく抱きしめる。
いつものサイズの二人なら回せない腕も、今の小ささの二人ならすっぽりと私の腕の中に納まった。
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長月シキカ(プロフ) - メホニアンさん» コメントありがとうございます！マイク先生も相澤先生もかっこいいですよね^ ^ 更新頑張りますのでよろしくお願い致します！閲覧感謝です^ ^ (2017年11月28日 13時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
メホニアン(プロフ) - トマトを食べた後のマイク先生に、キュンとしました。優しい相沢先生に惚れました。更新頑張ってください！！ (2017年11月28日 13時) (レス) id: dbe6c4db20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年11月4日 23時
