楽曲8 ページ10
私達、ノアチルはあの後全力で音を奏でた。
そして、最後に初のCDが出る告知などを公開し、テレビ局での生放送の収録も無事に終了して所属事務所の好意で今日は事務所に泊まる事になった。
マネージャーの車でそれを聞かされ、既にテレビ初出演の祝賀会の準備もしているという。
社長も自ら茶葉を選び、私達に紅茶を振る舞うと張り切っているらしい。
それを聞いた姉さん…
「うふふ、今回こそAを唸らせる紅茶を社長は淹れられるのかしら？まぁ、私自身も社長は紅茶を淹れるのはお上手だと思いますけど…Aにはおよびませんからね？音色とAの紅茶とお茶菓子は世界一ですもの！」
と言いながら、私に抱きつく。
ベースをしっかり握ってる私は姉さんから抱きつかれた時に真っ先にベースの心配をした。
変形や傷は大丈夫だよね…。
そう思ってたら、私達、兄妹の携帯が一斉に鳴る。
どうやらノアチルの公式ツイスター(略してツイスタ)のとノアチルの公式メンバーの通知の音の様だ。
ファンを獲得するために、SNSを使うのは常識だー！と最年長の海斗兄さんが言い出し、それぞれ個人のアカウントは前から持っていた。デビューしてからは事務所がもっとしっかりした公式サイトや公式アカウントを作ってくれたが。
私達は恐る恐る公式メンバーのツイスタを開くと驚いた。
Aノアチルやばいよ!キャラ発言
Bノアチル、他とは違うな!最初は淡白って思ったけど神だ!
C早くCD出ないかな!?ていうか、公式ツイスタの発表見た!?
Dあ、プレミアムファンクラブのでしょ!?毎月1000円でお得な情報とかライブなどでは優遇配慮の!
こんなやり取りが溢れかえっていた。
そして、フォロワーが増えている事から恐らくノアチルはまた新しいファンも獲得していっている。
最終的に、お互いのフォロワーを兄妹に見せると、
私が何故がダントツでフォロワー数1位。
よくわかんない。
そんな事を察したのか朔夜兄さんが「ま、我らが誇る妹の歌声は一度聴けば魅了されるからな！」
と言って豪快に笑った。
私も少しだけ笑ったけど、上手く笑えてるといいななんて思った。事務所に戻り祝賀会も終わった頃。
社長室に私だけ呼び出される事はまだ知らない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
