楽曲28 ページ31
凄い…
この曲、凄い音が溢れてる…
全てが音に飲み込まれて、身体の中に雪崩れ込んでくる…
秋華姉さんが担当するキーボードも激しいけど…
この曲、音色らしく無い様に音を撃ち込んでる感じだ…。
しかも私が担当凄いベースが激しく入ってる…
この曲のスラップ…難しいかも。
しかも曲調は早いし、転調も激しい。
無意識に私は曲のリズムを取ろうと右足のかかとと足の関節でその曲のリズムを刻む。
たたん、たん、たたたたん…
今の私じゃ弾けない曲かも。
そうはっきりとわかった。これじゃノアチルとしてダメだ。
昔はよくみんなで合宿として事務所に泊まり込んで練習した。その時に何度か壁に当たった。
曲が終わったと思ったら、今流れていた曲と全く同じ曲で恐らく皆んなが今の最新曲を弾いてる荒く熱がある音になった。
秋華姉さん、この曲の激しいキーボードをリズムの狂いも無く、自分のモノにして弾いてる…。
兄さん達2人のギターもそうだ。
音色も…
私、ここに来て気が緩んでたかも…。
私のベースが無いだけでこの曲はとても寂しくなる。盛り上がらない。私が弾くベースがこの楽曲の全てを完成させる様な感じの曲…でも、１つ１つの音も大切にされて纏め上げられてる…
今日から個人合宿かな…。
幸いにもお兄が防音室を作ってくれたし、実際夜に何度か弾いてたけど…周りは起きなかったから、夜中まで弾ける…。
今日は、新曲に向けて出来る限りの持ち曲を弾くのと後は年代も色んなのを弾いて…
それからデモとタブ譜を見て記憶して…
練習かな。
歌詞…
どうしよう…？
何時も曲を弾いてる時に浮かび上がってそれをそのまま歌ってるからなぁ。覚えてるけど、音に感情を撃ちまくる様に歌うから…なんか、記憶は薄いんだけど…
書き出せるっちゃぁ書き出せるんだよね…
今回の曲はちょっと難しいけど…
それなら、新曲練習の時は録音もしておこう…。いつ私が歌ってもおかしくない様に。
いつのまにか超真剣に曲を聴いて、リズムを取る私を3人は見て(こんなにAちゃんが本気になれる仕事はこれしか無いんだな)と感じ、
曲を聴き終わったAに「何かあれば手伝うよ！」と彼らは言うとAと一緒にまたおやつ作りを再開した。
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