2.走る者たち ページ3
ザッザッザッ…
はぁっはっ…
砂の道を走るのは、思ったより簡単ではない。
おまけに私は背が小さいから、歩幅も小さい。
ということは、人の倍くらいは走っている。
小さい頃からよく走っていたはずなのに、どうも動きが鈍いようだ。
…一応鹿之介の護衛なのになぁ。もっと強くならなきゃ。
やっと目的地が見えた。
ここは、尼子晴久様に仕える者の屋敷のひとつ。
「はぁ〜！やっと着いた…」
息を整え、思いきり叫ぶ。
「しーかのーすけーー！いらっしゃいますかー」
ますかーかーかー………
応答が…ない。なんて虚しいんでしょう。
しばらくして言伝てでもしようかと思ったとき
「まあ！鈴音様ではありませぬか」
一筋の光が差し込んだようだ。
「なみ様！」
なみ様というのは鹿之介のお母様。今日も素敵なお着物を着ていらっしゃいます。
「残念ながら甚次郎は今姿が見あたらなくて…全くあの子は何をしているのでしょう」
甚次郎というのは鹿之介の幼名。
私も昔は甚ちゃんと呼んでいた。
「おやっさんとお散歩でもしているのでは…？
ところでなみ様、お伝えしたいことが…」
「なんでしょう？」
「毎年美しい花を咲かせる、あの丘の上の桜がもうじき満開を迎えると思われます。ですので…」
「甚次郎と花見をしたいと？」
「ふぇっ！？えっあっその…。み、皆さまとお花見をしとうございます…」
一人であつくなっている私をなみ様は微笑ましそうににこにこ笑っていらっしゃる。
「ぜひやりましょう。甚次郎も甚太郎も、貴女や貴女の……」
おやっさあああん！！
突然遠くから聞こえてきた、この声は…。
「待ってくださいっす！おやっさあああん！！」
向こうから鹿が、その後ろから少年が走ってくる。
「あ！おやっさん！おいでー鈴音だよ！」
私がおやっさんに手を振ると、私の前で止まり、すり寄ってきた。
本当にかわいい〜おやっさんいい子！
鹿少年がやっと追いつき、私に気づいた第一声は
「…ぅえっ！？なんでこんなところにいるんすか！？」
「疫病神みたいに言わないでよ…」
「甚次郎！貴方は乙女心がわからないのですか？
鈴音様、甚次郎は嬉しくて仕方がないのですよ…許してやってくださいな」
はぁっはぁっと息を切らしている鹿之介はガバッと顔を上げて母上様っ！と言って少し頬を赤らめていた。
それで、なぜ鹿之介はおやっさんと出かけていたかというと…。
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小真紀(プロフ) - 鹿君大好きなので読めて嬉しかったです！これからも更新頑張ってくださいませ！応援してますp(^-^)q (2016年10月8日 21時) (
レス) id: a061b3425d (このIDを非表示/違反報告)
RYURU(プロフ) - 小真紀さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます！鹿君の初々しい感じ大好きですよ〜(*´∇｀*)よろしくお願いします！ (2016年10月8日 21時) (レス) id: a26e725e82 (このIDを非表示/違反報告)
小真紀(プロフ) - イベント参加、まことにありがとうございます！鹿君の小説、いいですね！これからも読ませていただきますのでよろしくお願いいたしますm(__)m (2016年10月8日 20時) (レス) id: a061b3425d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RYURU | 作成日時：2016年8月5日 14時
