20時間 ページ20
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明らかに動揺した声を出した母さんに、思わず俺は足を止めた。
振り替えって見れば、さっきとは打って変わって青白い顔をした母さんが頻りに頷いている。
口元を手で押さえて、目には涙を溜めていた。
そのうち、母さんは受話器を置いた。
「母さん…?」
「__おそ松…皆、呼んできて、くれる…?」
「あ、あぁ。」
意気がない母さんの声に驚いて、と同時に異常自体だと認識する。
言われた俺は、弾ける様に、皆が寝ている二階へと駆け上がった。
俺の心に、色々な事が引っ掛かってる。
母さんの涙、異常なまでの動揺。
電話口の相手の、信じられない言葉。
A。A、AAAA______
嫌な想像が頭に流れる。
そんな事を考えてる自分に、腹が立った。
大丈夫だ。Aは大丈夫。
アイツはきっと、またあの無邪気な笑顔を俺達に振り撒いてくるんだ。
「おそ松、飲もう」って、チビタの所でバカ話に華を咲かせて。
酒に強いアイツは、何杯飲んでも平気な顔で。
また、あの何回も見たことのある笑顔で、俺達の前に現れるんだ。
だから______
______Aが死んだ、なんて嘘なんだ。
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こころ - あれ?なんかスマホの画質悪く無い?……………あ、私の涙だ…(/ _ ; ) (2020年4月1日 18時) (レス) id: 68bb132a93 (このIDを非表示/違反報告)
霞桜 - とても感動した!!!!!!感動した (2019年12月21日 18時) (レス) id: 02fc9432b6 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - アッちょっとだれかタオルください目から汗が止まりません(*´;ェ;`*) (2019年7月29日 2時) (レス) id: 58ea8aaecc (このIDを非表示/違反報告)
しゃーちゃん - ΩÅΩ;泣きそうだった (2019年6月19日 18時) (レス) id: 6e21cc5c2e (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 凄い良かった! (2018年1月28日 21時) (レス) id: dfa48f9dbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:尸 | 作成日時:2015年12月28日 11時