18話 ページ20
Aside
太刀川さんの勧誘から4ヶ月たった後、私は中学3年生になるのと同時にB級に昇格した。
これでも狙撃手ならかなりのスピード出世なのだが、出水はすぐに昇級してしまったので待ってもらった次第だ。
今日は私のB級昇格祝いと太刀川隊の正式な結成ということでラウンジで食事をしていた。
「改めて、隊長の太刀川慶だ。よろしくな。」
「射手の出水公平です。よろしくお願いしまーす。」
『狙撃手の依田Aです。よろしくお願いします。』
「オペレーターの国近柚宇だよ〜。よろしくね〜。」
これからこの4人で太刀川隊なのかと思うと少しワクワクする。1人で任務に当たるのも決して嫌なわけではないが、やはり見知った仲間がいるのは心強い。
「今日から太刀川隊は本格的に始動していくわけだが、目標はA級1位だ。A級になるにはB級ランク戦を勝ち上がって2位以内に入る必要がある。」
『ランク戦?』
「私達と同じように隊を組んだ人達の間で模擬戦を行うんだよ〜。2位以内に入るとA級への挑戦権が貰えるよ。」
現在ランク戦に一度も参加していない太刀川隊はB級15位、いわば最下位だ。でもこのチームならA級に上がるのも時間の問題だろう。
「とりあえずランク戦の前に今日は太刀川隊初仕事の防衛任務が夜に入ってる。死なないように頑張れよ、ルーキー。」
「だってさ、A。」
『そんなヘマしないよ。』
私にとっては初の実戦だ。気を引き締めてこうという気持ちで拳を握った。
.....
「太刀川隊現着しました。」
静かな住宅街だった場所で出水の声が響く。
太刀川隊に入ったのは同時だったが、一足先にB級に上がった出水はソロで防衛任務についていたらしい。
私は黒い隊服を翻しながら、建物の屋根の上ででイーグレットを出した。
「緊張してんなー、A。」
『初めてだから仕方ないでしょ。出水だって最初は緊張したんじゃないの?』
「いやー、俺は住宅街をメテオラで平地にして怒られたなー。」
『出水らしいけど、ほどほどにね。』
すると柚宇さんからの無線が入る。
「太刀川さんから見て3時の方向にゲートの発生を確認。気をつけて対処してね〜。」
「どうやらお出ましみたいだぞ。」
出てきたトリオン兵はバムスター1体にモールモッド2体だった。少し体が力んだ。
あの頃とは違う。今の私には力がある。
「依田はバムスターをやれ。モールモッドは出水と俺で対処する。」
『依田、了解。』
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作者名:いーす | 作成日時:2019年4月30日 17時