突き付けられた現実 ページ17
ギンが詰所を出て数日後、卯ノ花はいつも通り執務室にいた
卯「最近は決戦で負傷した皆さんも回復して、ようやく穏やかな日が戻って来ましたね…」
山「卯ノ花隊長、中にみえますか?」
卯「どうぞ、入りなさい。」
戸が開くと、花太郎がおどおどした様子で覗いていた
卯「どうかしましたか?山田七席。」
山「いえ、あの…隊長と話したいという方が……」
卯「私と?」
山「はい…ただ、ちょっと珍しいお客さまと言いますか…」
ゴニョゴニョしている花太郎の背後に、ニュッと人が現れた
ギ「なんや、居てはるやないの。」
卯「市丸隊長?」
山「あっ、すみません市丸隊長!ちょっと確認をしていて…」
ギ「なんの確認なん…別になんもせえへんし…相変わらず、警戒されたままやねぇ?君には。」
山「い、いえ!警戒という訳では…(苦笑」
掴み所がなくて、関わりづらいだけなんだけど……そんな事言えないしなぁ…(汗
卯「ですが、本当に珍しいですね。市丸隊長が一人でここにいらっしゃるとは……どこか、具合でも?」
ギ「いいえ。ここに伺ったんは、ボクんことやのうて…」
卯「……」
卯ノ花はなにかを悟ったように口を開いた
卯「山田七席、席を外していただけますか?貴方はいつもの仕事に戻りなさい。…それと、しばらくは他の者をここに近づけないように。」
山「え……は、はい…分かりました。」
花太郎は少し不思議に思いつつ、その場を後にした
ギ「…すいませんねえ?人払いまでさせてもうて。」
卯「構いませんが、……鴇崎三席のことですか?」
ギンの笑みがやや薄くなる
ギ「……単刀直入に聞きます。Aの目は…治らんのですか…?」
卯「……」
ギ「どうなんですか。…答えて下さい。」
ギンは真剣な面持ちで返事を待つ
卯「……私達は、骨折や切り傷などの"外傷"なら治せます。目が見えなくても、眼球が傷ついているだけなら助けられたかもしれません。
…しかし…鴇崎三席の場合、具体的な傷は一切負っていません。傷が無いとなれば、手の施しようもありませんし…」
ギンは表情こそ変わらなかったが、手だけはきつく握られていた
卯「残念ながら、我々四番隊の力ではどうにも…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ギンは重い足取りで隊舎に戻ってきた。賑やかな声が聞こえて顔を上げると、Aが遊びに来た乱菊と談笑しているのが見える
その光景を見て、ギンは複雑そうな顔をした
ギ「A…絶対に…助けたるからな…」
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純 - 一言しか言えねぇ……しんどかったです (2018年9月12日 16時) (レス) id: cfb4ebe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - 感動しました!!ギン素敵です。この作品大好きです(*´˘`*) (2017年9月13日 22時) (レス) id: f1cdc6bf1b (このIDを非表示/違反報告)
あかねっち - めっちゃくちゃ感動しました!(;_;)ギンかっこよすぎます!!また作者様の書くギンの小説読みたいです!!!! (2017年2月14日 1時) (レス) id: 7d3b3da003 (このIDを非表示/違反報告)
K&T(プロフ) - めっちゃ感動しました!号泣しました! (2017年2月4日 18時) (レス) id: 8b3fcbbfb9 (このIDを非表示/違反報告)
花音 - めっちゃ号泣しました(泣) (2016年8月15日 20時) (レス) id: 4e104a5374 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わっふる | 作成日時:2014年6月11日 13時