募る不安 ページ12
ギンの意識が覚めて二週間がたった。あれからほぼ毎日のように三番隊の隊員たちやイヅル、乱菊、一護がお見舞いにに来た
ほぼ毎日言うても、そない親しい人はおらへんし、だいたいが三番隊の隊員やけど…
卯「…お身体はいかがですか?市丸隊長。」
ギ「四番隊長さん…」
卯ノ花は自然な動作でギンの脈をとった
卯「…霊圧も以前のように回復してきています。まだ怪我の方は完治していませんが、もうここにいなくても自然に治るでしょう。」
卯ノ花は少し口角を上げて軽く微笑んだ
卯「明日には、退院できますね。」
ギ「退院…」
ギンの頭に真っ先に浮かんだのはAの事だった
早う…会いにいかんと…
卯「それでは、私は失礼します。」
ギ「四番隊長さん。……Aの様子は…?まだ、怪我治らんのですか?」
ギンは、少し探りを入れるように尋ねた
卯「…鴇崎三席は…(隊「隊長!」…!」
絶妙のタイミングで、四番隊の隊員が割って入ってきた
ギ「…」
卯「何事です。」
隊「あ…お話中すいません……急患が…」
隊員は申し訳なさそうに言う
卯「分かりました。…すいません、市丸隊長。」
ギ「……構いませんよ。ボクの方こそ、お引き止めしてすいません。」
そうして、卯ノ花は早歩きで部屋を出て行った
ギ「…またや。」
ギンは今まで部屋に来てくれた人に、必ずAの事を尋ねていた
誰に聞いても、はぐらかされるばかりや……特に三番隊の隊員たちなんか、目は泳ぐし口篭るし…動揺してんのバレバレやったな…
ギ「…何があったんや…Aに…」
ギンはモヤモヤとした気持ちのまま、ひどく長く感じる時間を過ごした
ーその夜、乱菊がギンの病室に訪ねて来た
ギ「…乱菊?そこにおるん…?」
少し間を開けて、入り口に乱菊が現れた
乱「…明日、退院するそうね。」
ギ「ああ…」
乱「せっかくイヅルがあんたの代わりに真面目に仕事してたのに……どうせまたサボるんでしょ。イヅルも可哀想ね。」
ギ「サボっとるんは乱菊もそうやろ?いい加減、十番隊長さん見習って仕事したらどうなん?」
乱「な…あんたに言われたく無いわよ…」
その後、しばらく沈黙が続いた。しかしその沈黙も、二人にとってはあまり苦でなかった
沈黙を破ったのは乱菊だった
乱「どうして一人で行ったのよ。抱え込まなくても良かったじゃない…」
ギンは、ゆっくり口を開いた
ギ「…ボクの手で、藍染を殺したかったんや。ボクの手で…大切な幼馴染を救いたかった…」
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純 - 一言しか言えねぇ……しんどかったです (2018年9月12日 16時) (レス) id: cfb4ebe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - 感動しました!!ギン素敵です。この作品大好きです(*´˘`*) (2017年9月13日 22時) (レス) id: f1cdc6bf1b (このIDを非表示/違反報告)
あかねっち - めっちゃくちゃ感動しました!(;_;)ギンかっこよすぎます!!また作者様の書くギンの小説読みたいです!!!! (2017年2月14日 1時) (レス) id: 7d3b3da003 (このIDを非表示/違反報告)
K&T(プロフ) - めっちゃ感動しました!号泣しました! (2017年2月4日 18時) (レス) id: 8b3fcbbfb9 (このIDを非表示/違反報告)
花音 - めっちゃ号泣しました(泣) (2016年8月15日 20時) (レス) id: 4e104a5374 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わっふる | 作成日時:2014年6月11日 13時