【夢短編集⑩】 (ページ29)

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os…Don't touch me ページ29

「Aちゃん」

「あっ!」

可愛い彼女がキッチンに立って朝ご飯を作る。
髪を束ねた時に見える首筋が好きで、後ろから抱きしめてそこにキスしようとしたら、ぱっと振り返って顔の前に手を出された。

「今日はノータッチデーです!」

「……めう」

「ふふっ、悲しい顔してもダメ～っ」

「いや」

そんなの知らん、寝起きで彼女に甘えられんとか拷問過ぎる。
その右手を退けてキスをしようとしたら、今度は左手で唇を押さえられた。

「だーめ」

「いや」

ぱくっと左手の指先を咥えて舌でなぶってから、ちゅっと音を立てておねだりしても、Aちゃんは頬を染めて言う。

「触っちゃダメな日なの」

「ん"～っ、それ何の日～……キスの日とかハグの日とかそういうのがええんやけど～」

「触ってないと、触れた時にドキドキしない?」

「……何そのプレイ、俄然やる気になったんやけど」

「プレイのつもりはなかったけど」

「だったら我慢できるめう～っ」

「……なんか失敗した気がする!!無し!!やっぱ無し!!」

「無しは無し～っ!待てを食らった俺がどんだけAちゃんを欲しとったか、た～っぷりその体に教えたげるな?」

ふふん、そういうのやったら早よ教えてよ。
そういう遊びやったら大好きやし、得意中の得意やで?
きっとAちゃんの方から触りたくなって、我慢できひんようになるんちゃう?

◆

それからはたくさん寸止めなり、体が当たりそうになるのを「触らんとってな」とわざわざ言葉を付け足して楽しんだ。

「ねぇ…目の前で着替えるのやめて…」

「何で?」

「……むぅ」

「ちょっとどいて」

上半身裸のまま、Aちゃんが座るソファに掛けておいたシャツを取るために、覆い被さるようにして手に取る。

「じろじろ見んの」

「……むぁ～っ」

足をぱたぱたして堪えるAちゃん。

「弱すぎひん?」

「……私が着替える時、わざわざ膝の間に立たせて着替えさせたくせに」

「触られへんから見る方を存分に楽しんだんやけど?」

「……いつも触るくせにぃ～っ!」

知ってるよ、人ってそれに慣れると体はそれに反応するから、逆にそれが無くなるとどこかむず痒くなる。
それとは逆に、いつもされへんことをされるとドキドキする。

「…触りたい?」

ベルトを締めながら、ソファに座るAちゃんを見下ろして聞くと小さく頷いた。

「もう、弱いくせに俺に仕掛けるからやで?」

ソファの背もたれに手をついて、唇を重ねずに言う。

「…だめ」