絡まれる話 ページ26
火神と共に行動をする彼女。
お腹は大丈夫かと思いきや、物足りなさそうにしてる様子で大丈夫だと感じた。
あの量を食べても尚、食欲が減らないというのは最早火神以上に食欲の化け物と言っても過言では無い。
とある公園のとあるストリートバスケ、そこには高校生たちが３人でバスケをして遊んでいた。
「楽しそうじゃ。満喫しておるの」
「ああ……。ってあれは」
火神が見た先には黄瀬と黒子がいた。
黒子は分かるが、黄瀬が何故、黒子と接触しているのかはわからなかった。
だが何かを話しているようだった。
「……っ、テメェなにふらふら消えてんだよ！」
火神がど突くとは言い難い当たり屋を行って、彼女は黒子の方へと駆け寄る。
「やり過ぎじゃぞ。火神。当たり屋みたいに黒子を吹き飛ばしてからに……悪質タックルをするでない」
「悪質じゃねぇよ」
「お主の体格差と黒子の体格差は歴然としておろう。黒子がこれ以上怪我でもしたらどうするのじゃ？」
「はあ……わぁーたよ。悪かった」
黄瀬そっちのけで話始めるが、これ以上は進まないと火神の方が折れた。
「どれ、立てるか黒子？」
「はい……。それにしても、２人して僕のことを貶すのやめてもらえますか？」
「ひょろひょろに代わりないじゃろう。それよりお主、帰ったらリコからの逆エビの刑にされる。心しておけ」
「………はい」
逆エビの刑が何なのかは分からないが、とんでもなくリコが怒っている意志だけは感じ取れた。
だが、イベントは唐突に訪れた。
ストリートで楽しんでいた声がいつの間にか怒号に変わっている。
その違和感を覚えて彼女が其方へ向くと、５人の不良らしき男たちがキーキーと喚き声を上げながら高校生たちのバスケを邪魔していた。
「おや、楽しそうなことになってるのう」
嬉々とした様子で麗白はバスケを眺めていた。
黒子もストリートの異変に気づき、その様子を共に眺め始める。
ストリートでのバスケは高校生たちが３人に対し、不良らしき男たちは５人。
数ではまず負けている。
そんな中で始まった3on3だったが、残念ながら相手側が狡賢い戦法を使ったので勝負になっていなかった。
「ちょっ、なんだよ今の？3on3だろ！」
「3on3だなんて一言も言ってねーし」
「なんだよソレ、卑怯だっ」
男子学生の腹が蹴り込まれる。
「へっ、なんだって？悪ぃ、よく聞こえなかったわ！」
ぐりぐりと男子学生の肩に足をめり込ませる男に不幸が襲い掛かった。
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作者名：ほんばし | 作成日時：2022年5月6日 16時
