空腹は人を凶暴化させる ページ1
それは___と或る少年の話である。
「くうふくって、やだ」
「はい、その気持ち判ります!書類作業お疲れ様でした。はい、Aさんはお茶でしたよね?」
「えっ、いれてきてくれたんですか?わたしがやりますのに…。ありがとうございます」
「いえいえ。お気になさらず」
相変わらず他人に対しては猫を被った様に丁寧に接する彼女だが、金髪の少年はその事など気にも掛けていない邪気の無い笑みでお茶の入った湯呑みをテーブルに置いた。
というのも、つい先日までマフィアに囚われて少し仕事をすっぽかした事を悔やんで倍の仕事をして埋め合わせをしていた。
本来彼女の勤務態度は意外と真面目で、黙っていればナオミと同じ様に映える華の一人であった。
彼女曰く「おこられるのヤダ。それとダザイさんとおなじあつかいはゼッタイにイヤ」という子供染みた言い訳だが、これにより仕事を終わらせる彼女は周りから「
「早いですが、お昼を食べませんか?」
「あっ、おべんとう……。あちゃ〜〜…。なーんにもつくってきてなかった…」
「それじゃあ、僕が牛丼を奢りますよ!」
「いえいえいえいえ、それはだいじょうぶ。おさいふ、もってきてる!」
「丁度、牛丼の無料券が三つあるんですよ。一人足りませんが、また次の時に行けば良い話です。いっしょに行きましょう?」
少年賢治の幼気な瞳に勝るものなど無かった。
牛丼は可能な限り覚えてる記憶の中でも食べた事は一度もない。
だから少し心を掻き立てながら賢治の言う牛丼店へ足を運んだ。
「武装探偵社ァ!覚悟しろぉおお!!」
「死ねぇ!!」
その人目の少なくなった道中、鉄パイプを振り回す男達が此方に近付いて来る。
黒く顔の判らないマスクで明らかな私怨を持った輩だ。
「Aさーん、危ないので少し離れてて下さーい」
「えっ、あっ…」
言われた通りに少し離れるが、離れた途端に鉄パイプで頭を殴られ呆気なく倒れてしまう。
「あっ…」
「次は手前ェ…」
そう言って男が殴り掛かろうとしたがその体は曲がり唸った。
「駄目ですよ、女の人を殴ったら!」
殴られた筈の賢治はいつの間にか回復しており、その他には逆三角形で「止まれ」と書かれた標識を担いでいた。
「Aさん、大丈夫ですか?」
「だ、だいじょうぶです…」
一体何が起こったか判らなかったが、特に深く考えず2人は牛丼を食べたのだった。
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ほんばし(プロフ) - エレンNo2さん» コメントありがとうございます。面白いと言ってくださり、ありがとうございます。自己満足で書いている作品ではありますが、そう言ってもらえるととても嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月11日 17時) (レス) id: cf71fd7287 (このIDを非表示/違反報告)
エレンNo2 - 僕…文豪ストレイドッグス大好きなんですけど、すっごいおもしろかったです! (2023年1月11日 16時) (レス) @page2 id: 84c79903b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほんばし | 作成日時:2020年1月14日 21時