旅支度 4 ページ41
三月一日。
俺は殆ど関わりの無かった三年生の卒業前となり、学院中がわりと慌ただしい。
そんな中、俺は秘密の部屋へと来ていた。
「逆先くん、いるー?」
「おや、詩央。授業中に珍しいネ?」
久方ぶりに逆先くんと再会。
授業中に……と言うが、休み時間に探しても見つからないからなんだけど。
真面目という評価の俺が逆先くんに会うために、わざわざサボってるんだけど。
……まあ、それは置いておこう。
「……えーっと、逆先くんに一つ話があってね」
「フゥン……何かナ? 急に改まっテ」
……どんな反応をするのだろうか。
面白そうに笑うのか、驚くのか、それとも。
「俺、明日から一ヶ月くらい学院こないから」
「………………ハ?」
俺の言葉に、逆先くんは。
大口を開けて、目を見開き。
そして俺の言葉の意味をゆっくりと咀嚼するように理解をすると……揺れ動く瞳で、不安そうに、こちらを見つめてきた。
「……詩央まで、いなくなるノ?」
詩央“まで”。
指し示すのは、守られるばかりで、何もさせてくれなかった四人の『にいさん』だろう。
「……いなくなんて、ならないよ」
まだ君にも、恩返しができていないから。
この世界では異物な俺の、初めの“お友達”になってくれた君に。
俺はまだ何も返せていない。
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詅(プロフ) - 一期雨楽♪さん» こんにちは。泣きそうになるくらい嬉しいお言葉でした。私の書く話で誰か一人でもあんスタ!の世界を好きになってくれるのなら、それ以上のことはありません。今は更新ができていない状態ですが、必ず続きを載せますのでこれからもよろしくお願いします。 (2019年7月23日 18時) (レス) id: a7c8dc252c (このIDを非表示/違反報告)
一期雨楽♪ - わたしは・・・・この小説を見て、あんスタを知り、どんどん調べていって流星隊推しになりました。見つけれてよかったとおもいます。ありがとうございます!! (2019年7月16日 20時) (レス) id: a5d56a5b82 (このIDを非表示/違反報告)
詅(プロフ) - カグサさん» ありがとうこざいます!理くんすごいですよねー…。作者の私でもたまにハイスペックだなあと思ってしまうこともありますし。応援ありがとうこざいます。これからも頑張らせていただきます! (2017年12月27日 21時) (レス) id: 1f05f5b54d (このIDを非表示/違反報告)
カグサ(プロフ) - 夢主くんの性格に惚れました!!更新楽しみにしてます!微力ながら応援させていただきます♪ (2017年12月27日 20時) (レス) id: 754d74c58c (このIDを非表示/違反報告)
詅(プロフ) - 暁さん» ありがとうございます!楽しんでいただける方がいると、こちらもやりがいが出るので嬉しいです。 (2017年12月27日 2時) (レス) id: 1f05f5b54d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:詅 | 作成日時:2017年12月17日 20時