兎に贈るテディベア 3 ページ31
「違います。仁兎先輩に、渡してほしいと頼まれたんですよ」
やんわりと否定して、袋のままずいっとぬいぐるみを手渡す。
彼は少し首をかしげるも、ガサゴソと袋からテディベアを取り出すと、目を見開いた。
「……斎宮先輩からです。昨日、会ったので」
会った、というより会いに行っただけどね。
俺の言葉に、先輩はただ……
影片くんと同じように、テディベアを抱きしめる。
“お師さん”が、何よりも愛おしいと言っていた……あの笑顔で。
「……あ、ありが…とう」
「…!! いえいえー。俺はただ届けただけですし」
あのテディベアがどういう意味を持つのかは、俺には分からない。
彼らの絆を詳しく知らないから。
でもあのぬいぐるみは、斎宮先輩の作ったものだ。
……自分の作ったものを、人形に与えるということは───
──少なくとも、恨んではいないという、証明なのだろう。
「……え、しおうちん…? って呼びたいんですか?」
〈だめ?〉
「いえ……別にいいですよ。仁兎先輩」
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詅(プロフ) - 一期雨楽♪さん» こんにちは。泣きそうになるくらい嬉しいお言葉でした。私の書く話で誰か一人でもあんスタ!の世界を好きになってくれるのなら、それ以上のことはありません。今は更新ができていない状態ですが、必ず続きを載せますのでこれからもよろしくお願いします。 (2019年7月23日 18時) (レス) id: a7c8dc252c (このIDを非表示/違反報告)
一期雨楽♪ - わたしは・・・・この小説を見て、あんスタを知り、どんどん調べていって流星隊推しになりました。見つけれてよかったとおもいます。ありがとうございます!! (2019年7月16日 20時) (レス) id: a5d56a5b82 (このIDを非表示/違反報告)
詅(プロフ) - カグサさん» ありがとうこざいます!理くんすごいですよねー…。作者の私でもたまにハイスペックだなあと思ってしまうこともありますし。応援ありがとうこざいます。これからも頑張らせていただきます! (2017年12月27日 21時) (レス) id: 1f05f5b54d (このIDを非表示/違反報告)
カグサ(プロフ) - 夢主くんの性格に惚れました!!更新楽しみにしてます!微力ながら応援させていただきます♪ (2017年12月27日 20時) (レス) id: 754d74c58c (このIDを非表示/違反報告)
詅(プロフ) - 暁さん» ありがとうございます!楽しんでいただける方がいると、こちらもやりがいが出るので嬉しいです。 (2017年12月27日 2時) (レス) id: 1f05f5b54d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:詅 | 作成日時:2017年12月17日 20時