She’s Berry：2nd

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*yoohei side





なんとか部屋に寄ってもらうことにはなったけど、
あー・・・、
Aちゃんが仕事熱心なことを利用してしまった。




その事実は否めないので
多少の罪悪感は感じてしまうけど・・・。




でも、こうでもしないと
俺の家には絶対寄ってくれないだろうし、


それだといつまで経っても
今のままの関係から変われないって思ったから。




「え、川上さんその本買ったんですか！？」

「うん、まあね」




部屋に向かう途中、
彼女はちょっと興奮気味に話してる。




「デザインの仕事してるわけじゃないのに？！」

「ははっ、そうだね」

「けっこういい値段しましたよね？」

「うん、割りと高かった」

「でも買ったんだ・・・」

「単純にかっこいいなって思っただけだよ？」

「私、めちゃくちゃ見たかったけど
値段的に手を出せなかったんですよね・・・」

「いや、俺もある程度センスが問われる仕事だし、
こういうのを見るのもアリかなって思って買ってみただけなんだけどね」




なーんてカッコつけた物言いで彼女の方を見ると、
えっ、なに？その表情！笑




目を見開いて口もちょっとぽんやりと開けたまま、
俺のことを見上げている。




驚きとか、目の色は羨望の眼差しっぽいかな？
口が開いてるのは
ちょっと呆れられてたりしてるんだろうか？




ひと言では言い表せない
色んな感情の入り混じった顔が予想外で、




そんな顔もするんだって、
いつもは絶対見せないじゃん！って、


もっと他の顔も知りたいって、
色んなAちゃんを知りたいって、




君は新しい顔を見せるたび、俺を深みにハメていく。




彼女を部屋に呼ぶことにも取り敢えず成功したし、
こんな顔を見れるなら買った本のことを思い出して
本当に良かったって思った。





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