34 ページ34
翌日、部活に行くと私はすぐさま女子達に囲まれた。
ﾓﾌﾞ「暁君！例のビデオ、見ましたわっ！」
ﾓﾌﾞ「いつもの紳士的な暁君も素敵だけど、あの危うい色気も素敵！」
ﾓﾌﾞ「切なげに背中を抱き締める表情も…！」
続けざまに言われる言葉達から察するに、例のPVは流されたのだろう。
……ま、鏡夜先輩の事だから男子生徒とのシーンはカットされんだろう。
『ありがとう、姫達。喜んでもらえて私も嬉しいよ。』
いつも通りの笑みを浮かべてやり過ごすと、不意に「あのぅ……。」と背後から遠慮がちに声を掛けられた。
振り返るとそこには申し訳なさそうな表情を浮かべたれんげが立っていた。
『これはこれは、れんげ嬢。』
れ「…少し、お話出来ませんか？」
『勿論。』
ーーーーーーーーーーーーーーーー
人の少ない席へと彼女を招き、私はベルガモットの紅茶を淹れる。
フワリと花の香りが周囲に広がる。
れ「…単刀直入に申し上げますわ。何故、貴女が桜蘭に？もう成人は迎えたはずなのでは？」
『ミツキからある程度は“私”の事は聞かされてる？』
れ「えぇ…。特殊な任務などをなさってるのでしょう？」
『簡単に言えばその延長かな。とある任務で私はここに来た。』
カチャカチャと茶器が微かに鳴り、琥珀色のお茶を華奢なカップへ注ぐ。
れんげは「ありがとうございます。」と一言お礼を告げ、一口お茶を飲む。
『勿論この事は他言無用で。今の私は“降谷真琴”ではなく“四條暁”なんだ。』
れ「……分かりましたわ。なら私から申し上げる事は何もありません。」
『ありがと。…心配しないでよ、アンタらは絶対に私達が守る。』
僅かに表情を曇らせる彼女に、私は優しく微笑む。
れんげは明るい茶色の瞳を伏せ「…それから。」と小さく続ける。
れ「私のワガママのせいで……真琴さんに怪我までさせて、本当に申し訳ありません。」
深々と彼女は頭を下げた。
『良いよ別に。そうやって謝ってくれただけでも成長してるって知れて、私としては満足だし。』
私が軽くそう言うとれんげは目を丸くして、ようやく表情を和らげた。
れ「…ありがとう……ございます。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
斑にゃんこ先生 - なるほど ログイン出来たおりに登録を 夢と現実 現実であり夢 希望 色々興味深く読ませて頂きました 生活感のあるのもいいなぁ (2021年7月28日 1時) (
レス) id: 329a49738f (このIDを非表示/違反報告)
斑にゃんこ先生 - こんばんは コナンのはふむふむ登場人物が一致しました さて 本編はれんげの出現でわちゃわちゃになるのかな？ (2021年7月25日 21時) (レス) id: 329a49738f (このIDを非表示/違反報告)
斑にゃんこ先生 - こんにちは♪ 桜欄を知らないわたくしは 花より男子を思い浮かべたりしながら 楽しんでます ハルヒちゃんかわいいですね (2021年7月24日 15時) (レス) id: 329a49738f (このIDを非表示/違反報告)
四條暁(プロフ) - 斑にゃんこ先生さん» こんばんはー！お疲れ様です(^^ゝ課題は終わったので大丈夫ですよ！今回もコメントありがとうございます(*’ω’*) (2021年7月19日 0時) (レス) id: e97b238670 (このIDを非表示/違反報告)
斑にゃんこ先生 - こんばんは今は課題に頑張ってるかしら 女性だとバレて あっコナンの名前とか出てきたりで 頭に浮かびます 桜蘭も知ってればよかったなぁ (2021年7月19日 0時) (レス) id: 329a49738f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：四條暁 | 作成日時：2021年2月5日 5時
