�将次� ページ19
『私、今日は帰るわ。』
私はベッドに横たわる彼に呟いて部屋を出た。
扉を閉じると、階段があった。此処は地下室だった。
階段を上りながら乱れた黒いタイトワンピースを直していると、階段の上から人が近付いて来た。
顔は暗がりで良く見えない。
一段、二段、三段。
近付いて来る。
『済みません。此処の出口は何処かご存知かしら？』
二段上にいる男に耳打ちをする。
「…ドス君が女を連れ込んだ…」
『ねえ、お兄さん。何処から出れば良い？』
溜め息混りにもう一度聞くと、彼は不気味ににっこり微笑んだ。
「…この階段を上りきって左に行くと出られるよ。…で？どうして此処に？」
有難うと言い掛けた私の腕を掴み、男は私を睨んだ。
『分かるでしょう？
「で、その
いいえ。短く答えると私は階段を一段上がった。
「ふうん。所で貴女は何をしに？」
『あの人が連れて来たのよ。私は覚えてないわ。』
これは事実だったけど、如何にも奇しい、言い訳に聞こえる。
「お名前は？」
『全く。貴方は尋問官？…アグラフェーナ・スヴェトローワ。でも…いいえ。』
今度こそと階段を一段上がった。
所が、当然の様に腕は掴まれる。
「でも？」
『貴方にまですっかりお話ししなくちゃいけないなんてね！私あの人の妹なの。あの人は私を養女に出して、
以来六年間会ってなかったの。私達本当に愛し合ってたのよ。…さようなら！お手数お掛けして御免なさい。』
何時も面倒な男にする様に、私は彼の頬に唇を落とした。
『許して頂戴ね、兄様。』
彼の手を振りほどき、私は階段を駆け上がって行った。
さよなら、兄様。
御免なさい。
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呉 モヨ子(プロフ) - もこもこ・といれってぃさん» そうなんですね！改善します。報告有り難う御座います。私もドス様のお陰で不眠症です。その代わり、幸せな夜ですけど。 (2018年8月17日 21時) (
レス) id: b8f663826c (このIDを非表示/違反報告)
もこもこ・といれってぃ - 名前のところは、(貴女)ではなく(名前)でなければ(貴女)のままですよ。PS.ドストエフスキーが好きすぎて夜も眠れません。 (2018年8月17日 10時) (レス) id: 954a1d9cbc (このIDを非表示/違反報告)
呉 モヨ子(プロフ) - 千風さん» 有り難う御座います！…性癖恐るべし。 (2018年8月7日 19時) (レス) id: c32dec85a0 (このIDを非表示/違反報告)
千風(プロフ) - 投票させていただきましたー！ ……性癖って怖い。← (2018年8月7日 18時) (レス) id: d4838ee308 (このIDを非表示/違反報告)
呉 モヨ子 - 千風さん» 本っ当に申し訳ございません！更新自体はちょくちょく出来るんですけど、細かい修正や展開の確認で公開出来る状態じゃないんですよ…気長にお待ち下さい。コメありがとうございます！ (2018年3月31日 15時) (レス) id: e69ac68703 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：呉 モヨ子 | 作成日時：2017年9月3日 10時
