少しは ページ33
「して、A。ハリーについてはどう思うね？」
「どうって言われても」
場所は校長室。Aの側にはスネイプがいる。
何故彼女がここにいるのかと言うと……。
また生徒が石にされる事件が起きたのだ。その現場に運悪く居合わせていたのが、ハリーだった。
ハリーと話を終えたらしいダンブルドアは、スネイプとAを呼び寄せたのだ。
「別にどうも。ハリーは確かにパーセルマウスだとは思いますが」
「では別の質問をしよう。君はまた事件が起こると知っていたのでは？」
これに彼女が頷くと、スネイプが食って掛かった。
「貴様、知っていたなら何故！？」
「物語に介入すると、色々不都合が起こるかも知れないからよ。それで死んで行く人達を助けるって言うのは、矛盾しているかもしれないけど」
「何故不都合が起きる？ 物事は早めに解決した方が」
「だから不都合については、私にも分からないの。
不都合なんて起きないと思って、物語に介入したら」
同じ事を聞いてくるスネイプに、Aは段々と腹が立って来た。
そんな彼女に御構い無しに、スネイプは続ける。
「不都合を理由に物事を見捨てる気か！？
何故貴様」
「もううるさいな！ 『Why』とか『What』の単語が多くて、イライラするのよ！
少しは自分で考えてよ！！」
あまりに耐え切れずに苛立ちを露わにすると、スネイプは流石に口を噤んだ。
ゼイゼイと息を吐きながらAは、ごめんなさいと謝った。
「A、すまんの。儂が変な事を聞いたばかりに」
「いえ、イライラした私も悪いんです」
「もうお行き」
ダンブルドアの言葉に甘えて、Aは校長室を出た。
出る時に、スネイプの悲痛な表情を垣間見た気がした。
(続く)
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作者名：カプチーノ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shazam03271/
作成日時：2020年6月14日 8時
