何故だ ページ17
「ミセス・ノリスは、石になっただけじゃ。殺されてはおらんよ」
「し、しかし……」
あの後、ダンブルドアとスネイプ、スプラウトとロックハートが駆け付け、あの壁から近い部屋である、ロックハートの部屋にいた。
ハリーとロン、ハーマイオニーは、ダンブルドアの言葉に耳を傾けている一方で……。
Aは何故か、スネイプと少し遠巻きにその様子を見ていた。
何で? 私、ハリー達と一緒にいた訳じゃないのに!
「あ、あの、スネイプ先生」
「何だ?」
「どうして私をここに連れて来たんですか?
ハリー達と一緒にいた訳でもないのに」
「あの野郎が、気安く我輩に話し掛けて来るからだ」
スネイプはミセス・ノリスを、遠慮無く触って確認するロックハートを指差す。
スネイプは教師陣の中でも無愛想で、何事にも表情を動かす事はない。
それがロックハートの興味を引いたのだろう。
「貴様といれば、話し掛けられることもないしな」
「全然嬉しくないんですけど」
「私なら、その薬を目を瞑ってでも作れますけどね!」
ロックハートの明るく場違いな声が、部屋に響く。
恐らく、石化したものを元に戻す魔法薬の作り方をロックハートが聞いて、それで出来ると調子に乗っているのだろう。
これにスネイプは黙っていられない様だった。
「魔法薬学の教授は、我輩であって貴殿ではないだろう」
確かこの台詞、夢小説の夢主がスネイプの代わりに言う事が多かった様な。
この事件の際、スネイプ落ちだとここで必ず彼と一緒にいるし。
「……あ、ああ、そうでしたね。いえこれは、私にも何か出来るかもしれないという、言葉の綾でしてね」
「それで治るのか?」
しどろもどろに答えるロックハートの言葉に被せる様に、フィルチが問い掛けた。
どこかホッとした様な表情を浮かべたロックハートを、Aは見逃さなかった。
「大丈夫じゃ。元には戻る。ただ、ちぃっと時間は掛かるがの」
安心するが良いとダンブルドアは、フィルチに微笑み掛けた。
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作者名:カプチーノ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shazam03271/
作成日時:2020年6月14日 8時