その道の先へ－炎のゴブレット① (ページ10)

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助言ページ10

「にしてもヤバかったよね。まさか禁じられた魔法を目の前でさ」

「だよね。A、大丈夫だった？」

防衛術の授業が終わり、Aとハンナ、スーザンは大広間に来ていた。

理由は魔法対抗に出場資格のある者が、ゴブレットに名前を入れるのを見る為だ。

ハンナとスーザンの問い掛けに、Aは頷く。

「大丈夫だよ。ちょっと気が動転して」

「ならいいけど……あ、セドリックがこっち来るよ」

ゴブレットに名前を入れたセドリックが、何人かと軽くハイタッチし、こちらに駆け寄って来る。

「セドリック、名前入れたんだ」

「うん。まぁ駄目元で、だけど。
A、もし僕が選ばれたら応援してくれるよね？」

ハンナに言った後、セドリックはAに頬笑み掛ける。

Aが勿論と言おうとした時、ゾッとする様な視線が彼女に突き刺さった。

チョウの視線だ。取り巻き達と大広間に入って来たチョウが、セドリックと仲良く話すAを見て憎悪の目を向けている。

チョウはしばらくAを睨み、大広間から出て行った。

チョウの憎悪の目に気付いていたのは、Aだけではない。

ハンナとスーザン、彼氏であるセドリックも気付いていた。

「何なの、あの目」

「Aを睨み付けてたよね。A、何かしたの？」

「実はですね……」

事の経緯を彼らに話すと、何それとハンナが言う。

「チョウとセドリックは、構内でもかなり有名なカップルよ。
セドリックが貴女にうつつを抜かすなんて」

「ないわよ。ねぇ、セドリック」

「僕はチョウを愛してるし、それはないよ。
A、ごめん。僕から言っておくよ。
チョウは本当は良い子なんだ」

セドリックが申し訳なさそうに言うのを見て、Aは是非お願いします、と伝えたのだった。