その道の先へ－炎のゴブレット① (ページ7)

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コヤンスカヤ・タイバーページ7

宴が終わり寮に帰る途中、Aはウィリアムを見かけたので、一緒に帰っていたハンナとスーザンに先に帰ってもらい、彼女は彼に駆け寄った。

「ウィリアム先生！」

「やぁ、A。元気かい？」

はい、と彼女は頷く。正直、ギルガメッシュの事もあるので元気とは言い難いが、Aは余計な心配は掛けたくないので言わない事にした。

「あの、ウィリアム先生」

「ん？」

「タイバーと呼ばれていた人は、何者何ですか？」

気になるんだね、とウィリアムが言うと、Aは頷いた。

「彼女はコヤンスカヤ・タイバー。ホグワーツのハッフルパフ出身だよ」

「あの女性が？」

「見た目はそうに見えないよね。でも本当なんだ。
昔はハッフルパフ出身独特の雰囲気はあったけど、今は色々あってすっかり鳴りを潜めてる」

つまりコヤンスカヤは、Aの先輩に当たると言う事だ。

ウィリアムは言葉を続けた。

「まだ死喰い人であったカルカロフは、コヤンスカヤの両親を殺したんだ。
例のあの人の命でね。娘のコヤンスカヤがいる事を、カルカロフは知らなかった。
コヤンスカヤは復讐の為にダームストラングの教師となり、カルカロフと恋人になった」

「なんだか、壮大ですね」

あの大広間で見た微笑み合いを思い出すと、今更ながら怖いと思った。

コヤンスカヤは笑顔の裏に、カルカロフへの復讐心を隠しているのだ。

「ダンブルドアからは、あの2人が何かしでかさない様見張る様にと言われている。
だから血みどろな展開は無いと思うよ」

「そうであって欲しいです」

他校まで来てコヤンスカヤが、カルカロフと衝突する事は無いと思うが、それでも不安は拭えなかった。

Aはウィリアムに、ではお休みなさいと言ってその場を離れた。