その道の先へ－炎のゴブレット① (ページ14)

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毒舌ページ14

「何だか騒がしいから来てみれば……貴方達、何してるの？」

今まさにAがスネイプに掴み掛かろうとした際に、穏やかな女性の声が割って入って来た。

見るとスネイプの研究室の戸口に、あのコヤンスカヤが立っていた。

Aとスネイプの様子を見ても、コヤンスカヤはニコニコと笑っている。

Aはそんな彼女を一瞥した途端、全身が怖気立つのを感じた。

理由はよく分からないが。

「何、他校の教師が」

「口の利き方に気を付けなさい。他校でも教師は教師よ。
ったく、これだからスーパー家は嫌いなのよ。教育がなってないから」

先程の口調から一変し、コヤンスカヤは教師に対して態度がなっていないジルを、冷たく見据える。

ジルは何かを言いたそうにしていたが、そんな彼女を無視して、コヤンスカヤはスネイプに問い掛けた。

「で、これは何の騒ぎなの？」

「別に。貴様には」

「関係無い？ええ、そうよね。でもこの対抗期間に問題を起こされると困るの。
未成年がゴブレットに参加するなんて言う問題まで起きてるのに、またトラブルを起こされたら溜まったものじゃないわ」

ねぇ、とコヤンスカヤは固まって状況を見るしかないAに目配せをする。

Aが困惑気味に頷いたのを確認し、コヤンスカヤはスネイプに言う。

「貴方が何をしたかは、大体検討は付いています。大方、泣かされたグレンジャーという生徒の仇討ちに来たこの子に、貴方は手をあげていたと言う事でしょう」

「手はあげていない」

「そうかしら？この子が大切に想っている人を、許可無く蔑むのは十分手をあげたと言えるけれど」

違う？とコヤンスカヤは、翳のある笑みを浮かべて質問をする。

スネイプもジルも、何も答えない。

このままここにいても2人は答えないと悟ったのか、コヤンスカヤはAに言う。

「さ、行きましょ」

「え？」

「次の授業があるんでしょ、貴女。送って行くわ」

コヤンスカヤはAの事が気に入ったのか、純粋な穏やかな微笑みを浮かべて、行きましょうと促す。

コヤンスカヤに続いて研究室を出る間際、Aは2人を見た。

スネイプは黙ってこちらを見ており、そしてジルは……。

目に憎悪を映し、Aを凝視していた。