その道の先へ－炎のゴブレット① (ページ13)

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やっていい事との区別ページ13

授業に向かう途中、Aは偶々医務室の前を通りかかった。

そこにハリーがいたので、Aはどうしたのと声を掛ける。

「Aは僕の事、疑ってる？」

「疑ってなんかありません。それより、ハリーはここで何を」

「ハーマイオニーだよ。魔法薬学の時さ」

ハリーが言うには魔法薬学の授業の時、ハーマイオニーはドラコから歯が伸びる呪文を掛けられたのだと言う。

あまりにもドラコがハリーに対して態度が露骨だったので、ハーマイオニーが注意したのが発端らしい。

「で、スネイプは言ったんだ。ハーマイオニーの歯を見て、いつもと変わらないって」

「何ですか、それ？」

ハリーからの制止を聞かず、彼女は次の授業が遅れるにも構わず、スネイプの研究室を訪ねた。

ドアを開けて入って来る彼女を見て、スネイプは目を見開く。

「貴様」

「ハーマイオニーに対して、あの態度は何なんですか！ハリーから聞きましたよ！
やっていい事の区別が付かないんですか！！」

「あら、うるさい奴が入って来たわね」

ソファで寛いでいたジルが、面倒くさそうにAを見た。

スネイプにだけ集中していた為、ジルがいた事にAは今更ながらに気付く。

「貴女……」

「スネイプ先生はいい人なのよ。スネイプ先生は素直じゃないから」

「だからって、言ってはいけない事もあります！
貴女にとってスネイプ先生はいい人かも知れません！でもハーマイオニーは彼の言葉によって、傷付けられたんですよ！」

生徒同士なら兎も角、教師が生徒に言っていい台詞では無い。

それに。

「スネイプ先生がいい人って言っているのは、貴女にとって都合がいいからそう言っているだけでは？」

「貴女も区別つけなさいよ。私はね、スネイプ先生がいい人って、最初から知ってるの。
それはもう」

「もういい、ジル」

恍惚と語り始めるジルを、スネイプは窘めた。

彼女は素直に「はい」と間延びした返事を出し黙る。

「貴様の言う様に、確かに我輩は言ってはならない事を言った。
しかし」

「しかし、何ですか？」

「我輩より貴様が大切に思っている、言峰綺礼の方が余程」

「貴方が綺礼さんの事を口に出すな！！」

普段とは違う言葉を使い、激高した彼女はスネイプに掴み掛かった。

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流石にこの件についてのスネイプ先生を庇うのは、無理があり過ぎると思うんですよね。
原作にしか無い話ですが。