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047. ページ49

「……『見えざる操り糸(インビジブル・マニプレイター)』!!」



シノのロザリオに付いた魔法石が 一際強く輝くと同時に、淡い光を纏う魔力の糸が10本、彼女の指先から伸びた。


しかし それすらも、ジェイドとフロイドを捉える前に不自然に弾かれる。



「嘘だろ、これが外れるなんて……!」


「おや、『それ』はシノさんのユニーク魔法ですか?
 まるで人形劇のようで、大層 興味深いですね。」


「何でオレらに魔法が当たらないか教えてあげる。
 オレのユニーク魔法、『巻きつく尾(バインド・ザ・ハート)』は……

 お前らの魔法が失敗するように、横から邪魔できちゃう魔法なんだー。面白いでしょ。」



そんなの反則技だと詰るグリムを他所に、ジェイドは軽率にユニーク魔法を明かしたフロイドを窘める。


その一方で、魔法を弾く謎の力の正体を知ったシノとアンナは、



「……シノさん、」


「ああ、分かってるさ。

 ……『切り札』の お披露目、だろ?」



ぴっ、と彼女が真っ直ぐに伸ばした右手の中で、ロザリオの鎖が絡まって音を出す。


同時にシノは、下がってな、と一同を背に庇った。



「よーく見てな、一年坊。魔法の使い方ってのを教えてやるよ。」



彼女は、何か大掛かりな魔法を使う気だ。


そう直感した双子は、シノの魔法が発動するより先に手を打った。


先ほどデュースが飛ばした数の数倍はある氷槍を瞬時のうちに作り出し、その矛先を彼女に向ける。



水中では体の自由が利かず、まともに回避もできない。


庇ったところで結果は同じだ、と彼らは嘲笑うように 彼女目掛けて刃の雨を降らせた。


……ところが、



「……『巻きつく尾(バインド・ザ・ハート)』ッ!!」



それを唱えたのは、他の誰でもない、シノ自身だった。


本来ならば、同じユニーク魔法というのは、この世に二つと存在しないはずだ。


だが、鋭い氷雨は 確かに彼女の周囲から弾かれ、互いに衝突し合って 粉々に砕けたのだった。



目の前で起こった不可解な出来事に、ジェイドとフロイドはオッドアイを見開いた。


驚きを隠せていないのは、一年生たちも同じである。


ただ一人、ニヤリと不敵に笑ったシノは、



「どうだ、お気に召したか?
 これも全部、お前が あたしを見縊ってくれたお陰だよ。


 ──感謝してるぜ、フロイド。」



◇◇


To Be Continued In Next Movement...

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作品ジャンル:ラブコメ
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茨の國のぼっち(プロフ) - フォントから、ユニーク魔法から、文章から、全てにおいてセンスが良さすぎます!前章に引き続き、この章も楽しく読ませていただきました! (2021年1月17日 1時) (レス) id: 9a68fed22a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:擂糸 | 作成日時:2020年9月27日 12時

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