30話 ページ34
試験開始後、しばらくすると完全に人の気配がなくなった。どうやらみんな上手くばらけたようだ。
アンコさんは呑気にお茶を飲んでいた。
「そういえばA、アンタなんで警備に志願したわけ？」
「……姉としては、弟たちが無事か、心配なわけですよ」
アンコさんはつまらなそうにふーんというと、お茶をグイッと飲み干した。
「まあ、別にいいけど…アンタほどの忍が、そんな甘ちゃんな考えをするとは思えないわよ。暗部にいたくせに」
おかわりと空になった湯呑みを差し出すアンコさんに苦笑しながら、新しくお茶を淹れ直す。
嘘はついていない。私は、ナルトとサスケの命守るためにここにきた。
と、言っても、これから起こることは原作で知っている。それを変えるつもりはない。あくまでも死なないようにだ。
ここで仕留めれば今まで通りの平和な日常に戻ると思うだろう。しかし、今の私に大蛇丸をナルトたちをかばいながら倒すほどの実力はない。まあ、一対一なら致命傷を負わず程度ならできるかも知れないけれど……
「暗部にいたと言っても、少しの間ですし…」
「あぁ、そうね……あのことがあったし」
そう言ってから、すぐにまずかったという顔になった。なんて返せばいいかわからなくて、とりあえずにこりと笑って返すと、それきり話は終わってしまった。
これから起こることを知っておきながら、食い止めようとしないこと……きっと、冷酷だと思われるだろう。
だけど、私は守らなくちゃいけないものがある。そう言って、今までだって……何人も、何人も見殺しにしてきた。
キュッと拳を握ると、血の巡りが悪くなりピリピリと痺れる。すでに赤く染めてしまった手が白んでいるのをみて、なんだかおかしくなった。
「うわああああああ！！」
突然、森の方から叫び声が響く。
アンコさんは二杯目のお茶をグイッと飲み干すと、ようやく腰をあげた。
「さて、始まったか」
「えぇ……私、そろそろ行かなくちゃ」
「一人で平気？」
「これでも上忍ですから」
気をつけてね、というアンコさんに軽く手を振り返し、森の中へと足を進めた。
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すみません、話数がズレていることにようやく気付きました！
修正しておきました
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紗菜 - 続き、待ってます。 (2022年12月13日 23時) (
レス) id: c2a2213ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ﾜｽ - 応援してます(˘ω˘ ) (2022年2月7日 9時) (レス) @page47 id: f51baff03e (このIDを非表示/違反報告)
がー(プロフ) - もう大好きです！絶対続編読みたいです！もうやばいで大好きいいいいいいい！！！ (2019年9月26日 0時) (レス) id: 8eb0f6b23c (このIDを非表示/違反報告)
センカ(プロフ) - 心さん» コメントありがとうございます！おもしろいと言っていただけて本当に嬉しいです！とてもやる気が湧いてきました！ (2019年6月14日 19時) (レス) id: f204811481 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - 初コメ失礼します。とても面白いです。更新頑張ってください！ (2019年6月13日 7時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：センカ | 作成日時：2018年10月21日 18時
