シェアハウス！ (ページ26)

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☆ 1 mとa ページ26

(a視点)

真っ白のほっぺが、イチゴみたいに赤くなってたから。

水晶みたいにキラキラした目が、いつもよりもウルウルしてたから。

いつだってかっこいいけど、汗ばんだ吐息と一緒に、蛇口ぶっ壊れたみたいに色気だらだらだったから。

汗っかきな方なのは知ってるけど、いつもの比じゃないくらいに額の汗が目立つから。

だからね、知ってるよ。
いっくら松潤が隠したって、バレバレだよ。

しんどいんでしょ？
体調悪いんだよね？

でも、がんばりたいんでしょ？

それなら、ジュンは頼ることを覚えなきゃダメだよ？

真夏のロケは、今日は健康イチバンなおれですらクラッときそうなくらいにはアツい１日になりそうだった。
まだ午前が終わっただけだけど、もちろんずーっと外ってわけじゃないけれど、ゲストの女優さんをエスコートしながら町を歩く‥そんなフツーの企画‥せめてこの真夏日以外でやってはくれないものかなぁ、なんて、言っても仕方はないけど。

エスコートをするのだからご丁寧に衣装までもがスーツだ。この暑いのに！三揃のスーツ！
世はクールビズの時代だっていうのにネクタイだってしっかり締めた。‥‥働くって、タイヘン。

始まって１時間経ったくらいから、目に見えて調子が悪くなった松潤が、午前の撮影が終わったっていうプロデューサーの声を聞いてフーっと息を吐いた。
おれは、それを見てちょっと溜息を吐く。

まだ言わないつもりだ、‥‥このバカ。

いつもだったらきっとおれが言われるようなセリフを、松潤に向かってぶつける。(もちろん、ココロの中で。)
バカバカバカバカ、バーカバーカ！

昼休憩でーす！の声と一緒に、すぐにおれにSOS出してくれたら、ゆるしてあげよーっと思ったのに！！
こんなに無理してこのロケしようとしてることも！体調悪いの何にも言わなかったことも！全部許して、がんばってるね！って褒めてあげようと思ってたのに！！！

でももうダメ！
だっておれに隠そう隠そうと、ここまできてそれしか考えてないジュンはゆるしません！

「松本さん、お昼どうですか？」

今日のゲストの若いかわいい女優さんが、ヒザに手付いて息を吐いてる松潤に、寄って行ってそう声をかけていた。
ああ、やさしい子なんだなぁ、って思うけど、ゴメンね。今日は松潤、おれがもらうね。

意識もふらふら、そんな様子の松潤は、女優さんになんて返そうかこまってる。
ああもう、天下のマツモトジュンらしくもない！