06. 嫁感出してます/N ページ33
｢あ、翔さんおはよう!｣
｢おはよう、潤｡｣
嬉しそうに尻尾をフリフリして、翔さんに駆け寄っていく潤君｡
翔さんは何社分かの新聞を手に
潤君のコト
目の中に入れても痛くないような愛おしそうな眼差しで見つめる。
｢今日は翔さんの好きな卵スープだから｡
レタスが入ってるヤツ｡
ニノと一緒に作ったんだ｡｣
｢そっかぁ、そりゃ楽しみだな｡｣
ここんとこ冷たくあしらわれることが多かったからか(←ザ・反抗期)
機嫌のいい潤君に翔さんはすこぶる嬉しそう｡
翔さんはテーブルに新聞を置くと、唇尖らせてる智に苦笑した｡
｢そりゃお年頃の男の子が、そんなとこに痕つけられたら怒るって｡｣
｢だってぇ〜!
ニノ、いい匂いだし、美味しそうだしっ!
世界一可愛いしっっ!!
潤君もいるんだもん!
安心できないの！｣
｢大丈夫だよ｡
普通の物の怪じゃ、ニノの纏ってる智君の妖気にビビッて、近づくこともしないよ｡
痕つけたいのはそういうことが原因じゃなくて、『智君が…』、なんじゃない？｣
｢お前…!
マジで何考えてんの!?｣
｢えへっ♪｣
｢『えへっ♪』じゃねーよ!!!｣
思わず振り向いたオレに智は満面の笑みを振りまく｡
あ〜、朝から頭がぐらぐらする｡
人間じゃないだけにコイツらの価値判断が分かんねぇ!
特に翔さんと智は1,000年以上生きてるみたいだし｡
｢それにさ｡｣
翔さんは古い木製の椅子に腰かけると、新聞を広げながらその先を続けた｡
｢ニノが潤に襲われてからご丁寧ににのみや荘にまで結界、張ってるでしょ？
こんだけ厳重にニノを守ってんだもん｡
まぁ、ここに侵入できるヤツすらいないよ｡
もし入り込んでるなら、気付かずにおれ達が引き入れたってことになる｡
それも考えにくいだろ？
それよりもおれ、気になる事があるんだけど｡
智君？｣
｢へっ？｣
｢もしかして徹夜した？
目の下、うっすらだけどくまになってる｡
ダメじゃない、無理しちゃ｡｣
｢後で寝るも〜ん｣
｢寝るっていう行為は、脳を休める為にも体を休める為にも凄く大切な行為なんだからね？
疲れた顔しちゃって｡
熱いおしぼり作ってあげようか？｣
｢もぅ、口うるさいなぁ〜
昔とちっとも変ってない｡
まるで母ちゃんみたいだ｡｣
表情一つで智の状態を把握するなんて｡
翔さん母親っていうよりまるで智の嫁さんみたい(笑)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1215人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あさり
作成日時：2014年6月17日 23時
