08.朝食はみんな揃って/N ページ34
｢｢｢｢｢いただきまぁ〜す｣｣｣｣｣
｢コレ、ブラックペッパー？
優しい味だし辛くないのに、香りが利いてて凄く美味いよ!｣
一番最初に潤君のスープを堪能した相葉さんが、嬉しそうに目を細めた｡
｢だろだろ〜？
潤は料理も上手なんだよ〜｣
翔さんが相葉さんに嬉しそうにドヤ顔してる｡
｢よかったらまだおかわりあるから｡
たくさん食べてね？｣
｢潤君ってよく出来たいい子だねぇ〜｡
翔ちゃん、ちゃんといいお母さん(？)して優しい子に育てたんだね｣
｢雅紀お前、ホントに親の心理つくのが上手いな｡
今の、グッときちゃった｣
わいわいがやがや、なんだか以前よりずっと騒がしい食卓｡
でも、居心地がよくて何より楽しくて｡
みんなが集まる食事の時間は、
小さい頃両親を失い、じいちゃんまで死んだオレにとって、一番お気に入りの時間｡
｢あ…、確かに美味しい…｣
オレも一口スープを啜りながら、ふと智の様子を伺う｡
智のヤツ、殆ど箸が進んでない｡
オムレツを２、３口食べただけで
後はつけあわせのブロッコリーをフォークでつついてるだけだ｡
｢……食欲ない？｣
｢あ…、うん、ゴメン…
今は食べられそうにないや｡｣
オレもそんながっつり食う方じゃないけど、智は更に食が細い｡
普段からそんな食べる方じゃない上に
絵を描いてる時はこっちが気遣ってやらないと水分補給までおろそかになる｡
｢ったく……｡
朝飯食べないんなら何しに下に降りてきたんだか｡｣
｢んふふ、ニノに癒されたくて♪｣
｢……馬鹿言ってら｡
智、お前さ｡
区切りのいいとこまで頼まれた絵、描いちゃいたいんだろ｡
片付けとか気にしなくていいから、早く自分の部屋戻れよ｡
あぁ…それと｡
おむすび握っといてやるから、後で食えよ？｣
｢ふふっ、ありがと｡
ニノってば憎まれ口ばっか叩くけど、優しいから大好き｣
ふにゃふにゃオレに笑いかけると、智は席を立つ｡
｢あれ？
大ちゃんもういいの？｣
｢うん…、なんか食べられなくて｡｣
｢じゃあオレが大ちゃんの分のスープとオムレツ食べてあげる♪｣
｢お前。
ほっそい割によく食うな｡｣
｢頭脳労働の翔ちゃんと違って、花屋はハードな肉体労働も含むの!
体が資本だもん｡
美味いものはたくさん食べないとネ♪｣
二人分の食事を確保した相葉さんに智は眼を細めると
そのまま二階に消えていった｡
09.御伽の箱を開ける時。/S→←06. 嫁感出してます/N
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1214人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あさり
作成日時：2014年6月17日 23時
