ランニング場で ページ3
翌日
「集合!三列縦隊!!日朝点呼、番号!
「1!」
「2!」
「3!」
「鬼塚教場気をつけィ!!」
朝のまだ冷えたグラウンドに、教場の班長、伊達航の声が響く。
班長、というのは入校後の教場分けで鬼塚教官から指名された役割だ。
その横に並ぶ列の後方、ボロボロに傷を負った2人に教官は目を止めた。
「どうした?松田と降谷…その顔…」
「聞きたいっスか?」
伊達班長が言うには、「部屋に出た虫を倒すために、暴れてしまい怪我をした」という話だった。
(……よくあんなサラッと嘘がつけるなあ)
「とはいえ大切な学校の備品に傷をつけてしまった罰として、我々鬼塚教場は1周多く回ってきます!
行くぞ!」
「オウ!」
その掛け声に、後方で「話は終わっていない」と言う教官を置いていきながら外周マラソンが始まった。
(まぁ、余計なこと言わないで1周多く走る方が楽か)
そう考え、Aは呆れるようにため息をついて足を進めた。
どうも後ろの集団は、朝だと言うのもあってか動きが鈍い。
(邪魔……)
走るペースを上げて、先頭の方へと出ていく。
「何だよその面…色男が台無しじゃねぇか」
「うるせぇよ萩」
ふと、前方からそんな声が聞こえる。
顔を上げると、すぐ前を走る天然パーマが見えた。
「オマケに差し歯まで抜かれてやんの、超ウケるゥ♪」
隣の男とは親しいのだろうか、そんな話をしながら走っている。
「しかし降谷ってやつもやるねぇ、
プロボクサーの親父さんに仕込まれた陣平ちゃんとここまでやり合うとは……んで?どっちが勝ったんだ?」
「そりゃー当然」
「僕だ!/俺だ!」
被さるように、すぐ横を走り抜けた金髪の男と声が重なる。
「うわっと」
「おっと、大丈夫?」
突然現れたその男……降谷零に驚き、少しバランスが崩れた。
が、そのすぐ後ろにいた彼…諸伏景光に軽く支えられ、何とか体制を戻す。
「悪い」
「いや、大丈夫だよ」
「はぁ?テメェ、殴られすぎて頭いっちまったんじゃねーか?」
「それは君だろ?」
等の2人はそんなことは露知らず、言い争いを続けていた。
「…ったく、殴り合いしてる時点で同レベルだってのに」
チッと舌打ちをしながらその後ろを走り続ける。
「はは、ごめんね。ゼロのこと許してやって」
「……ゼロ?」
その言葉にAは目線を諸伏へ向けた。
「そっちの金髪の方……降谷零って言うんだ、
俺は諸伏景光。良かったらよろしくね」
「ん…よろしく」
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しゃ〜け(プロフ) - 早桃さん» 早桃さん、コメントありがとうございます〜!!!面白行っていただけてもうめちゃくちゃ嬉しいです!!頑張って更新していくので、今後も是非よろしくお願いします〜!! (2022年12月27日 1時) (レス) id: 8454d3df8d (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - すっごい好きな作品です!面白い!これからも無理せずに更新頑張って下さいね!応援してますぅぅぅ! (2022年12月26日 12時) (レス) @page37 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃ〜け | 作成日時:2022年12月19日 2時