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「おはようございます!」


夢ノ咲学院音楽科に向かう途中、
いつも別の科の生徒と会う。
先輩なのか、同い年なのか分からないけど、
去年もいた人達だから、
きっと年下という事は無いのだろう。
そんな人達に挨拶をしながら登校する。
名前も知らない人達だけれど、
よく話をしたりするものだから挨拶をする事が
私の日課になっていたりもする。

そんな時に、
ふと思いつくメロディを書き留めるものだから
面白そうに見ているような視線を感じる事もある。

「今度この曲を弾かせて下さい」なんて
言ってくる人もいる。
その人は普通科の制服を着ていたりするのに、
ごく稀に音楽科にも来たりするものだから、
吃驚した事がある。
普通科の箏曲部にいる人の中で、
最も美しい音色を奏でる人なのだと
別の人から聞いたことがある。
私の書く落書きのような音の配列を見て、
楽しそうに笑うような人だ。
そんな落書きのような音の配列を、
「弾かせて欲しいです」なんて言いだす人は
私の幼馴染とこの人くらいである。

いつか自分で納得出来るような曲が作れたら、
真っ先に彼女に弾いてもらいたい...なんて
私の我儘を言えば、快く承諾してくれた。


彼女は私の名を知っているようで、
「御早う御座います、エル」なんて
微笑んでくるものだから、
私は彼女に懐いていたりもする。


彼女に憧れていたり、
彼女と話してみたいと思っている人は多いようで
時々、羨ましそうな視線を感じる事もある。

申し訳なさがあったりもするのだが、
彼女や他の人と居られる、
朝や放課後が一番楽しいものだから、
みてみぬふりをしていたりするのである。


「貴方に自信を持って弾いてもらえるような曲、
書けるように今日も頑張ってきますね!」


そう言って別れては今日も音楽科の門を潜る。
素敵なメロディが思いつきますように.....なーんて。

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作者名:咲片 朔夜 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年9月1日 19時

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