桜の君の優しさ ページ16
次郎様にお酌をして頂いていたら
予想以上のお酒を飲まされてしまい
意識がぼんやりとしてきた私は宗近様に体を寄りかからせていた
「宗近様…私、酔いが回ってしまいまして…
しばしの間、お外で夜風に当たって参ります」
「ううむ…しかし、かなり顔が赤いようだが大事ないか？」
「いいえ、ご心配なく
私は元より血色が良い体のようですから
きっとお酒の効用が顔色に表れやすいのでしょう」
「相分かった
気を付けて行ってくるのだぞ」
宗近様にお許しをもらって
私は廊下をゆっくりとした足取りで歩いて行った
我が
細部まで技巧を凝らした造りがあちらこちらに施されていた
そんな素敵なお屋敷を巡っているうちに
いつの間にか月に照らされた桜の咲き誇るお庭に辿り着いていた
三日月が照り映える夜に薄紅の花を散らせる桜の花
その光景に懐かしさを覚えながらも辺りを見渡すと
見慣れた姿が視界に映った
「主様？」
「⁉…あぁ、Aちゃん」
私が顕現した時に浮かべていたような人懐っこく
明るい笑みを私に向ける主様だったけれども
目尻に涙が溜まっており、お顔も少し腫れているようだった
「…泣いていらっしゃったのですか？」
「…あー、ばれた？
みっともない姿を晒しちゃってお恥ずかしい限りだよ」
へへっと悪戯に失敗した幼子のような笑い方をなされた主様は
やはり無理矢理笑おうとなされているのでしょう
「いいえ、良いのです
ここには私と主様しかおりませんから」
「うん、確かにそうだったね」
「主様、今宵は折角美しい月が昇っていますから
月を見ながら私と語らいませんか？
さすれば少しは主様の心の陰りも晴れましょう」
私がそう提案すれば主様は驚いたような
それでいて嬉しそうな表情をなさった
「ありがとうね、Aちゃん
ちょっと弱い所を見せちゃうかもしれないけどいいかな？」
「えぇ、私が主様のお心を全て受け止めさせて頂きます」
「ちょ、なにそれー！
何かうちの誰かを彷彿とさせる返答だね」
良かった…やっと本当の笑みを向けて下さった
主様の笑顔を見て私は心が温かみを帯びていくのを感じた
守りたいと思うものがまた一つ増えた気がします
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リン(プロフ) - 更新頑張ってください！！ (2022年3月30日 16時) (
レス) @page24 id: 4c69a0ba50 (このIDを非表示/違反報告)
麗扇姫(聖ヶ丘哀)(プロフ) - おタケさん» 数ヶ月前におタケ様のコメントを読ませて頂きました。その時、コメントの優しさに思わず涙が出てしまいました…。温かな言葉を下さって本当にありがとうございました！お待たせしてしまった分、頑張っていきますので今後ともどうぞよろしくお願いします。 (2019年7月1日 14時) (レス) id: 2f2ea1e042 (このIDを非表示/違反報告)
麗扇姫(聖ヶ丘哀)(プロフ) - *☆凛月-Ritsu-☆*さん» 返事が遅くなり申し訳ありません！続きが楽しみと言って頂けて嬉しい限りです。立ち直ったばかりで上手くいかない事も多々あるかもしれませんが、今後ともどうぞよろしくお願いします。 (2019年7月1日 14時) (レス) id: 2f2ea1e042 (このIDを非表示/違反報告)
おタケ(プロフ) - なんとお声がけすれば良いのか、無責任な言葉になってしまいますので、一言だけ。私はずっとお待ちしています、ご家族との時間を優先してあげてください。 (2019年4月14日 12時) (レス) id: 63e16b2caf (このIDを非表示/違反報告)
*☆凛月-Ritsu-☆* - 続き読ませていただきました！*^ ^*とても長谷部とか三日月が可愛いかったです(*´ω｀*)またもや、続きが楽しみです(*´ω｀*)更新頑張ってください！( ´∀｀) (2019年4月11日 20時) (レス) id: 28c28e4b5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麗扇姫(聖ヶ丘 哀) | 作成日時：2018年3月16日 23時
