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9話 間接 ページ10

「じゃあ、例えば。もしも、だからね? もし、僕が…。
 
 僕が東雲さんを…好き…だったら、一緒に暮らすなんて、危なくない?」


「えー、危なくないよ! っていうか、わたし最原くん好きだよ?」


「えぇ!?」


なんかめっちゃびっくりしてる。みんなのこと好きなのは、当たり前じゃん。あ、それとも…。


「もしかして、恋愛的な意味のことだった?」


「あ、うん…。僕は一応そのつもりで聞いてたんだけど…あはは」


「ま、だとしても危なくはないと思うんだけどな。それより、最原くんは好きな人とかいるの?」


「ぼ、僕…? うーん、今のところ、はいない…かな」


「えー、いないのー? …嘘でしょ!」


「な、なんで!?」


「なんで、って…。やっぱりいるんじゃーん!」


「そ、それは違うよ! 僕は、なんで嘘だと思ったのかなっていう意味で言っただけで…!」


「隠さなくって良いよぉ。で、誰々? 楓ちゃんとか、アンジーちゃん?」


「か、からかわないでよ」


「えへへっ、ごめんごめん。やっぱ、恋バナってどんな状況でも楽しいよねー」


「ちょっと、ネタにされる僕の身も案じてよ」


「ごめんってば。…あ、喉乾いてきちゃった。ここに来て何にも飲んでなかったし…」


王馬くんのとこで目をつむるテストした時に緊張したからっていうのもあるかもなー。


「あ、じゃあ僕、食堂から何か取ってこようか?」


「そこまで取りに行かなくても大丈夫だよー。あっ、これ、飲んでいい?」


わたしが手に取ったのは、部屋にあったペットボトル。お茶。これで十分だよ。


「良いけど…、って、東雲さん、それ、僕が口付けたやつ…!」


「そんなの気にしなーい、よ?」


わたしはペットボトルのフタを開けて、残りの分をゴクゴクと飲み干した。


「ん、美味しい。良かったんだよね? ごちそーさまっ」


わたしは口元を拭いながら微笑んでそう言った。でも、最原くんは「あ、うん…」と、

赤くなっちゃってうつむいてる。…こうなった理由は一つしかないよね?


「もしかして、最原くん、恥ずかしいの?」


「えっ…!? はは、そう…かも。本人から言われちゃうなんてね…」


「わたしが恥ずかしがるならまだしも、最原くんが恥ずかしがるって…照れ屋さん?」


「て、照れ屋っていうか…。だって、あれは間接…//」


最原くんは照れちゃって、ぷいと顔を逸らしちゃった。


「ねえ、こっち向いてよ!」


わたしは彼の顔を覗き込んだ。

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みさっと - 面白いです!!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!! (2018年4月11日 6時) (レス) id: 0bc1c5e779 (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - 久々に来てみたら…20000hit感謝。続編もよろしくです! (2017年11月12日 14時) (レス) id: 9a72ab82f4 (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - 続編制作決定。 (2017年5月20日 0時) (レス) id: 4648477697 (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - 10000hit感謝。 (2017年4月27日 16時) (レス) id: 3c0d286ec2 (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - そう言えば、ID違いますが、2機使ってるので、なりすましではないです。 (2017年4月13日 17時) (レス) id: 84c734e715 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゅー | 作成日時:2017年3月22日 0時

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