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45話 出来ない選択 ページ46

わたしはあの後くたっとしてから、おぼつかない足取りで自分の研究教室へ向かった。


もう最原くんにお世話になれないし…。何しろ、さっき、あんな事があったから。


もちろん、王馬くんもだよ。こちらも、さっき、あんな事があったからね。


あ、そうだ。今日なら、モノクマに個室を作ってもらえるかも!


「おーい、モノク…」


「はいはーい。いきなりボクを呼んでどうしたの? あ、言わなくて良いよ。

 それより、1つ個室が増えた事は伝えたっけ? モノクマ―ズにキミのを作らせたんだけど。

 で、用件は今ので満たされた? それとも何かボクに言いたいことがあるの?」


「あ、えっと、ないよ。ありがと…」


「はいはいはい。バーイクマね、はいはい」


…一瞬にしてモノクマは消えた。なんであんなに機嫌悪そうだったのかな。まぁいっか。


わたしはすぐ個室へ行ってみた。確かに1つ、増えてる。扉にはドット絵。わたしだ。


中に入ると…、特に他の部屋と変わりはないけど、うん。わたしの部屋って感じ。


今日はここで寝るんだ…。ううん、今日からは。ここで、1人で―。


「って、別に寂しくなんか…」


ふと呟いた。果たしてわたしが一緒に寝たいのは、最原くん? それとも、王馬くん?


ほんとに、分からない。だってわたし、どっちも好きなんだもん。選べないよ。


2人から告白されちゃうなんて…。王馬くんのくせに、本当っぽくて。


「明日、どんな顔して2人に会おう…」


わたしはふと、唇に触れた。わたし、最原くんとキスしたんだよね…。


そして耳にも手を当てる。王馬くんに食べられちゃった場所…。


思い出して、枕に顔をうずめて、バタバタ。今更ながら恥ずかしいよー。


普段、スパイ活動をしている時には、男の人の耐性がついていたはずなのにな。


あの2人は、ちょっと違うんだよね。もしかしたら、好きになっちゃったかも。


時計を見た。もう遅い。わたしはシャワーを浴びて、タオルをまいた。


誰もいないから、別にこのまま寝ても良いよね…。


ボフン、とベッドに倒れこむ。柔らかい、温かい。でも、2人のことで、頭がいっぱい―


―なんて事にはならなかった。ていうか、元々好きだったし。


そんなに気にせずに接そう。返事はまだ先でも良いよね…?


わたしはゆっくり目を閉じ、初めて個室の中、自分1人で寝た。


少しだけ、ほんの少し…人肌恋しかったのは、内緒。

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みさっと - 面白いです!!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!! (2018年4月11日 6時) (レス) id: 0bc1c5e779 (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - 久々に来てみたら…20000hit感謝。続編もよろしくです! (2017年11月12日 14時) (レス) id: 9a72ab82f4 (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - 続編制作決定。 (2017年5月20日 0時) (レス) id: 4648477697 (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - 10000hit感謝。 (2017年4月27日 16時) (レス) id: 3c0d286ec2 (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - そう言えば、ID違いますが、2機使ってるので、なりすましではないです。 (2017年4月13日 17時) (レス) id: 84c734e715 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゅー | 作成日時:2017年3月22日 0時

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