44話 もう1人 ページ45
王馬くんの方を振り向くわたし。いつから、そこに…?
「み、見てたの?」
「見てたって何の事ー? 東雲ちゃん、何かあったのー?」
白々しいなぁ。もしかしたら、既に筒抜けなのかも。ま、一応説明しておこ。
「たった今、最原くんにさ…告白? っていうの、されちゃって…」
「ほうほう。それでそれでー?」
「わたしが“好き” の意味がわかってなかったからいけないんだけど…キスされちゃった」
「……ふーん」
「あれ…反応薄いね。で、えーと…わたし、どうしたら良いと思う?」
「へーえ? オレに聞いちゃうんだ?」
王馬くんは不敵な笑みを浮かべている。王馬くんは、近くのベンチに腰掛けた。
「ま、相談に乗ってあげるからオレの隣においで」
わたしは頷き、ためらうことなく隣へ行った。わたしが王馬くんに相談するなんてね。
「ねえ東雲ちゃん。実はオレ、そういう時の為の、良い方法を知ってるんだー」
「えっ、そうなの!? それ、どんな方法?」
「まぁまぁ。落ち着きなよ。で、その方法ってのはね…」
王馬くんがわたしの方へ身を寄せる。そして、わたしの耳に、囁いた。
「……最原ちゃんじゃなくて、オレを選べば良いんだよ」
わたしは赤くなった。2つの意味で。王馬くんはわたしが耳弱いの知ってるくせに…。
「それ、もしかして、王馬くんも……って事…?」
わたしは耐えきれず、尋ねた。さっきの最原くんを思い出して、鼓動が速くなる。
「うんっ、そうだよ」
王馬くんはにこっと笑った。それも、無邪気に。そして、すぐに表情を変えた。
「やっぱ、オレも東雲ちゃん食べたくなっちゃうな…」
「た、たべ…!? ていうか、わたしは最原くんと王馬くん、どっちを選べ―― ん、あっ」
「キミが選ばなくちゃいけないのは、オレでしょ…?」
なんと、王馬くんはわたしに急接近し、わたしの耳に口を寄せ、そのまま耳を舐め始めたのだ。
「ひぅっ、お、王馬く、ん…っ!?」
「ん…、東雲ちゃん…気持ち良かったら、声出しても良いんだよ…?」
「そんな事…、言われてもっ、うっ、んうっ…」
耳の奥に舌が侵入してくる。耳が弱いわたしはもう耐えきれなくて。
「奥っ、だめぇっ…、んっ、うゆぅ……」
王馬くんの首に腕をまわし、彼の肩にすとん、とあごを落とした。
「…あれ、疲れちゃった?」
「んにゃ…」
体が重いよぉ…。
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みさっと - 面白いです!!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!! (2018年4月11日 6時) (レス) id: 0bc1c5e779 (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - 久々に来てみたら…20000hit感謝。続編もよろしくです! (2017年11月12日 14時) (レス) id: 9a72ab82f4 (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - 続編制作決定。 (2017年5月20日 0時) (レス) id: 4648477697 (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - 10000hit感謝。 (2017年4月27日 16時) (レス) id: 3c0d286ec2 (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - そう言えば、ID違いますが、2機使ってるので、なりすましではないです。 (2017年4月13日 17時) (レス) id: 84c734e715 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゅー | 作成日時:2017年3月22日 0時