【ダンガンロンパv3】探偵さんと総統さんに狙われちゃった、ドジっ子スパイちゃんの話。 (ページ38)

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37話　狸とツンデレページ38

服を着て戻ると、王馬くんはもうすやすやと寝息を立てていた。疲れちゃったのかな？

わたしもベッドに腰掛けて、王馬くんの寝顔を盗み見る。

「…かわいい」

思わず言葉が出てしまうほど、彼の寝顔は可愛かった。寝てると、とってもかわいいんだけど…。

最原くんもこうなのかな？元々整った顔立ちだし…、うん、見てみたいな。

でも、王馬くんが人前で寝るなんて。もしかしたら、これは珍しいことなのかも…。

じーっと見つめて…、ちょっと手を伸ばす。そして…彼の髪を、そっとなでた。

「なーにしてるの？」

「ひゃっ!?」

王馬くんの目がぱちっと開いた。そしてすぐ起き上がって、笑みを浮かべた。

「オレがかわい過ぎて、襲いたくなっちゃった？」

「た、狸寝入り!? さ、最悪。別に、可愛いだなんて…」

「でも、さっき可愛いって言ってたよね？それ、オレの事でしょ？」

「ち、違うよ。えーと、こ、このベッド可愛いなーって思っただけ！」

「どうしたの東雲ちゃん。急にツンデレ発動しちゃって」

「そ、そんなんじゃないもん！」

「オレには分かってるよー。オレに噓は通じないからね」

「もう、王馬くんの事嫌いになった！」

わたしがぷいっと顔を逸らすと、王馬くんはわたしの目線の先に入り込んできて、言った。

「じゃあ、さっきまでは、オレの事好きだったの？」

「えっ…と、それは」

「じゃあもっと簡単にしてあげるよ…。オレと最原ちゃん、どっちが好き？」

「そんな、２人を比べるなんて…、できないよ」

「ふーん。ちなみに、最原ちゃんの事は普通に好きなんだよねー？」

「うん。好き」

「そっかー。そんな最原ちゃんとオレを比べられないって事は、オレの事も好きって事だから…。

　うわー。東雲ちゃんって、二股かけちゃう系女子なんだー、初耳だよー」

「ちょっと、やめてよ。それは王馬くんでしょ」

「オレ？んー…、どうでもいい女子はどうでもいいけど…。本気になったら割と一途だよー」

「どうせ、またそれも噓なんでしょ」

「うん、嘘だよ！ …っていうのも噓で、実はほんとだったりしてね」

だめだ、王馬くんと話すとすぐこうなっちゃう。からかい上手っていうか…これぞ王馬くん。

「もう、良い。わたし、もう寝ちゃうもん」

わたしはベッドにあった掛け布団をすっぽりと被った。

「東雲ちゃん、マジでオレと寝るの？ …襲われても知らないよ？」

まーた、なんか言ってる…。