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31話 撤収 ページ32

王馬くんが寝転がってぼうっとしていたわたしの髪を手ですいた。


「んぇ?」


少し心地良い…。すると、今度は最原くんはわたしに手を差し出して、言った。


「東雲さん、ほんとに…、今度、また来よ?」


わたしは訳も分からず、差し出された手を掴み、起き上がった。その様子を見ていた王馬くんは、


「最原ちゃんったら、慌てちゃってさ。噓だよー」


と、わたしに笑った。「嘘?」と聞き返すと、王馬くんはなんだか楽しそうだった。


「東雲ちゃんにイタズラしないってことだよ。今はね」


「って事は、また僕の反応を見て楽しんでたの?」


「当たり前だよ。いくらオレでも、流石に今こんなとこでするつもりなんか無いからねー」


「…ある意味ほっとしたよ」


「オレはね、夜に2人きりで楽しみたい派だから、今はできないよー」


「え」


わたしはまた話についていけなくなったから、取り敢えず外に出た。少しして2人も来た。


「念のため聞いておくけど、王馬くんはカジノで、どんな景品を交換したの?」


最原くんが訝しげに尋ねた。


「なんだと思う?」


「分かんないよ。王馬くんが欲しそうなものだって、思い浮かばないし…」


「じゃあ、ヒントね。今の建物に関係してるよ」


「えっ? それって、最原くんとさっき話してた事にも関係するのかな?」


「東雲ちゃんはどう思う?」


「王馬くん、もうやめなよ…!」


王馬くんを遮った最原くん…ラブアパートっていうさっきの建物、嫌いなのかな?


「…東雲さん、ちょっと個室行こうか。ちょっと話したい事が…」


え、今から? それも、わたしだけー?


「えー? オレも入れてよー、けちー」


王馬くんが膨れっ面をした。かわいい…。…あれ? きるみちゃんだ。


「あら、ここにいたのね、王馬君。東雲さん、最原君と一緒なのね。探したわ。

 いたずらを仕掛けて、あっちの部屋をぐちゃぐちゃにしたのは貴方よね? 少しいいかしら」


「違うよ東条ちゃん。あれはオレじゃ…」


「少し、王馬君を借りるわ。いいわよね」


「う、うん。お疲れっ」


流石きるみちゃん…。王馬くん、連れてかれちゃった。ちょっと面白い。


「じゃあ、僕らは個室に戻ろうか」


そう言われ、頷いたは良いものの…最原くん、なんか怒ってる?

32話 甘い罠→←30話 謎の建物



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みさっと - 面白いです!!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!! (2018年4月11日 6時) (レス) id: 0bc1c5e779 (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - 久々に来てみたら…20000hit感謝。続編もよろしくです! (2017年11月12日 14時) (レス) id: 9a72ab82f4 (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - 続編制作決定。 (2017年5月20日 0時) (レス) id: 4648477697 (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - 10000hit感謝。 (2017年4月27日 16時) (レス) id: 3c0d286ec2 (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - そう言えば、ID違いますが、2機使ってるので、なりすましではないです。 (2017年4月13日 17時) (レス) id: 84c734e715 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゅー | 作成日時:2017年3月22日 0時

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