【ダンガンロンパv3】探偵さんと総統さんに狙われちゃった、ドジっ子スパイちゃんの話。 (ページ15)

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14話　嘘か真かページ15

王馬くんの言葉に固まるみんな。もちろん、わたしも例外ではない。

「この展開は神様もびっくりだよー。でもでもー、ほんとなのー？」

「そうね、今までの王馬くんの態度から考えるに、嘘という可能性が大いにあるわ」

なんだ、嘘かぁ。わたしもびっくりしちゃったけど、なんだ、嘘なのかぁ。

そうだよね、相手はあの王馬くん。油断してると、彼のペースになっちゃう。危ない危ない。

「オレの事、みんなして疑って…うわあああん！ひどいよー」

「王馬クン、嘘泣きはやめてください。それで、どうなんですか？」

「ちぇー。ま、嘘かどうかはどっちでも良いよー、オレはもう決めたからねー、にしし」

「え、決めたって…、何を？」

最原くんがようやく口を開く。わたしも王馬くんの言ってる意味が分からなくて、聞き返す。

「分かんないのー？バカだなー、東雲ちゃんをオレのものにするってことだよ！」

え、わたし、王馬くんのものになっちゃうの!? …って、どういう事？

「そんな事、僕が許さない」

最原くんがきっぱりと言い切った。でも、わたしは状況が分からなくて、えっと…混乱。

何が起きてるか分かんないし、えーっと、わたしはわたしのものだよね…、どゆこと？

「なんで最原ちゃんにそんな事する必要があるの？やっぱ東雲ちゃんが好きなのー？」

「え、と、それは…」

視線を泳がせる最原くん。と、それを見かねてか王馬くんはまた、にしし、と笑う。

「最原ちゃん、オレの言葉は噓だと思う？ホントだと思う？」

「王馬くん…、僕には分からないよ、キミの本音は」

「ふーん…そっか、じゃあ、嘘かホント、どっちであってほしい？」

「…え？」

「最原ちゃんは、オレが東雲ちゃんを好きであってほしい？それとも、それは嫌なの？」

「…さっきから、僕を試してる、よね？」

「にしし、バレた？いやー、なかなか最原ちゃんが本音を言わないからさー」

「もー、王馬くん、人を試すなんて事しちゃダメだよ」

「良いじゃん、オレは悪の総統なんだからさ。じゃあ東条ちゃん、ごちそーさま！」

スパゲッティを食べ終えた王馬くんは、皿を出して食堂の扉に向かった。

そのすれ違いざま、わたしは彼のささやきを聞いた。それはたぶん、わたしに向けられたもの。

わたしはその言葉を聞き逃さなかった…聞き逃せなかった。だって、彼が言った言葉は…。

「―奪うっていうのは、嘘じゃないよ」