3話 ページ4
「新しい生徒を紹介する。皆、前に出てこい」
男の子達はガタガタと机や椅子を動かしながら前に出てきた。
男の子達の4人の中の2人は私と同じ三谷Cの上杉と小塚だった。
立花と小塚以外の男の子達は驚いたような表情をし、立花に至っては3人を睨みつけるように見ていた。
「紹介するぞ。端から上杉和典。クラスは三谷C
算数の天才で皆からは【数の上杉】って呼ばれてる
隣が黒木貴和。クラスは三谷B
欠席が多くてなかなかCには行けないところだ。実力は認められてるんだけどさ
次が小塚和彦。クラスは三谷C
【シャリの小塚】だ」
そこまで言うと、立花は不思議そうな顔をしたため、助言する
『社会と理科のことを合わせて
「他のクラスだと
私に続いて小塚がモソッと言うと立花は、小塚を見てから私の方を見て頷いた。
「最後に若武和臣」
江川は揶揄うように若武の頭に手をのせて続けた。
「【ウェーブの若武】っていって波が激しいんだ。良いときは、三谷Cの連中も真っ青になるほどいいが、悪いときは受験Bスレスレさ。そうだよな、若武」
若武は我慢ならないという風に頭をふった。
「ひでぇよ、先生。それって俺だけ貶してるじゃん。他のヤツらのことは褒めてるのにさ。差別だ」
江川はそれには答えず私達の肩に手をのせた。
「お前らから見て、右が立花彩。クラスは受験Bだが、国語が抜群にできる
左が神楽(人1)。クラスは三谷Cだから、上杉と小塚は知ってるな。神楽はどの教科も成績がいいがやる気がなく本気を出そうとしない。こいつが本気になれば秀明どころか全国模試でもトップをとれるな」
こいつ…余計なことしか言わないな。
皆が驚いたように私を見た。
私はそんな皆を無視して江川を睨むように見る。
「お前、結局何が一番得意なんだ?」
『…はぁ
強いて言うなら、英語。苦手教科は社会の歴史』
だって、そうでしょ?なんで現代人が昔の人のこと知らないといけないの?興味ないんだけど。
「これからは男だけのノリはやめるんだ。いいな」
江川が念を押すように言うと、教室につまらなそうなため息が広がった。
「じゃ、立花、神楽。クラスに戻って良いぞ。授業が終わったらもう一度ここに来てくれ。特別クラスのテキストを机の上に置いておくから」
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ジュリ(プロフ) - 初めまして、こんにちは。お話の続きがすごく楽しみです!頑張ってください! (2021年8月1日 18時) (レス) id: 95734c7554 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒猫 | 作成日時:2021年7月5日 19時