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15話 ページ16

若武に言われ私達は教室に入る。

ちなみに兄さんには[まだ、秀明にいる。遅くなる、ごめん]と連絡したから大丈夫だと思う。

特別クラスに皆がそろうと、若武は黒板に【マウンテン・バイク消え失せ事件】と書いた。


ださっ…。


そう思ってると立花が咳払いをして口を開いた。

「そこは【消失事件】か、あるいは【盗難事件】としたほうがいい」

そう言うと、若武はすぐに書き直した。

そっちの方が本格的でかっこいいと感じたんだな…。

黒木の言う目立ちたがり屋な性格も入ってるな。

「では、諸君」

……。


まじ?

ちらりと隣に座っている上杉を見ると、ウエッって顔をしている。

そして、私の視線に気付いたようでその顔のまま首を左右横に振る。


でたよ、こいつ(若武)の気取り屋。

そんな事を思ってるんだと即座に理解した。

そんな私達に気付いてないのか若武は続ける。

「これについて考えてみようではないか」

そう言いながら、黒板に書いていく。


犯行時間ー17時5分〜21時3分

「俺が秀明に着いたのが、午後17時5分。さっき出て行ったときが21時3分だったから、はっきりしてる」

場所ー秀明ゼミナールの西側の外。スナック[バースデー]とパチンコ屋[パーラー銀河]の裏口にはさまれた路地

被害者ー若武和臣

盗難品ー買ってもらったばかりのピカピカのマウンテン・バイク

ここまで書くと、また立花が咳払いをした。

「[買ってもらったばかりの]と[ピカピカの]はいらない。ただのマウンテン・バイクでいい。もしくは、買った日付、その自転車の型番、メーカーを書いたらいい」

そう言うと、少し溜めてから

「それが本格的ってものだから」

そう言うと、若武は即座に書き直した。

そんな若武を見てから、立花の方を見て小声で言う。

『やるじゃん、国語のエキスパート。立花も言葉の魔法が使えるんじゃない?』

そう言うと、立花は驚いたように私を見てから嬉しそうに笑った。

そして、私は視線を若武に戻して、

『特徴って、それだけなの?君のことだから、目立つ何かをつけてたりしないわけ?』

すると、上杉がその目に意味ありげな笑いを含んで若武を見た。

「さすが神楽。あるだろ。若武、言えよ」

「ハンドルに、サッカーボールのキーホルダーがついてた」

「同じクラスの女からもらったやつだ。バレンタインデーにチョコレートと一緒にだ」

口をつぐんでいた若武は諦めたように言うと、すぐに上杉が追加した。

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ジュリ(プロフ) - 初めまして、こんにちは。お話の続きがすごく楽しみです!頑張ってください! (2021年8月1日 18時) (レス) id: 95734c7554 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒猫 | 作成日時:2021年7月5日 19時

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