Episode 18 ページ19
本部に戻ると、入口で迎えてくれたのはハンジだった。二人の姿を見ると、ハンジは少し驚いたように、そして嬉しそうに目を細めた。
「お帰り二人共。帰ってこなくても大丈夫だったのに」
「は、ハンジ分隊長!?」
「お前の世話にはならねえよ」
「え!?へ、兵長!?」
理由がわからないAだけがぎょっとして二人の顔を交互に見比べる。
そんな彼女にハンジはいたずらを思いついた子供みたいにニヤリとした笑いを浮かべた。咄嗟にリヴァイに嫌な予感が走る。
「あのね〜A〜。リヴァイったら〜A泣かせてぇ〜、どうしていいかわからなくてぇ〜」
「お前、マジで削ぐぞ。再生できねえ程に削ぐぞ」
「ああ、怖い怖い!A助けて!」
リヴァイから逃げるようにハンジがAの後ろに隠れる。
「ハンジ。触れんなきたねえ」
「あなた……私にも傷つく心というものが……」
「ねえだろ、そんなもん。A、来い」
「えっ……」
ぐいっと腕を引かれ、腰を抱かれる。二人の時は散々抱き合ったり、キスをしたりしたが、人前でこんなことをするのは初めてで、Aはリヴァイの腕の中で固まってしまう。
「やだやだこれだから独占欲の強い男は。A、後悔するよー。女の私にでさえこれだもん。これからこいつ、馬にでもヤキモチ妬くようになるよ」
「ほぉハンジ……そんなに死に急ぎたいのか」
「遠慮しとく。ソニーとビーンが悲しむじゃないか!」
降参といったように両手を挙げながら、ハンジはぴょんと後ろに飛び退いてリヴァイと距離を取った。
「リヴァイ」
「?」
「次、A泣かせたら私が削ぐからね」
「お前に削がれることはねえよ。もう決めた」
「へえ。男らしくなったじゃないリヴァイ。ねえ、A。リヴァイに泣かされたら言うんだよ。私はAの味方だからね!」
「ハンジ分隊長……」
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作者名:マキノ | 作成日時:2021年10月26日 17時