センセ 、こっちむいて 。1 ((緑))

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「あれー？ないなー」





数学資料室で、授業で使う資料探し中。






『今はAセンセ、独り占めやから』


『ドキっとすんの』


『何もされてへん？』





『先生のことが、好きやねん』







大倉くんのあまーい声が



頭をぐーるぐる、ぐーるぐる 。







はぁ、と小さくため息が漏れる。









ガラッ



大「あ、おった」






ちょうど大倉くんのことを考えてたから


びっくりしちゃって






ガタッ




後ろに体が傾いて、棚にぶつかってしまう。








大「せんせ…っ」






本が、たくさん落ちてきたけど


私は無傷。







大「…大丈夫？」


「大倉くん！」






私を守るように、大倉くんは私を抱きしめてくれてた。







「私は全然…

大倉くんはっ？怪我してない？」






大倉くんの頭や顔、いろんなところに触れる。



大丈夫そうかな…









大「ありがと、先生」


「保健室行こっか？」


大「…いや、」







また、ぎゅって抱きしめられる体。



きゅんって高鳴る心臓。








大「もうちょっとこーしてたい」








身長差があるから、大倉くんは私の首に顔を埋める。









「…すき 、」






言っちゃった


言っちゃったよ







「大倉くんが好き」









もう、後戻りはできないことなんて分かってる。




それでもいい


って思えるくらい







とっくに、あなたに溺れていたんだ

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