相談相手？ ページ19
「パス遅いぞー！」
放課後。
バスケ部マネージャーAA(仮)頑張っております。
「一年！もっとやる気出して！本気で！」
雅紀、こういうときほんとかっこいい。
普段おバカキャラだけど。
「よーし！今日はここまでにしよっか」
19時半。バスケ部の練習終了。
外はもう真っ暗。
…今日、和いないんだった。
「A、遅くまで付き合わせちゃってごめんね」
「ううん、大丈夫」
「今日送ってこうか？」
「いいよ。反対方向だし」
「大丈夫？」
「大丈夫大丈夫」
ほんとは怖いけど。
まぁ、そんなに暗い道じゃないし。
「俺が送っていきますよ」
「松潤。そういや、同じ方向か」
「はい」
「じゃあ頼もうかな。Aもいいでしょ？」
「え？あ、うん」
要注意人物だけど、一人よりはマシ。
おばけに会うより、マシ。
「潤くん、ごめんね」
「いや、二人で話したかったし」
「そ、そっか」
私は別に話すことない…はず。
「ほんと大野先生とは何もないの？」
「え？！な、ない、よ？」
「じゃあ、なんでキスしてたの？」
「…え、」
「キスしてたでしょ。あそこの階段で」
「見てたの、？」
「うん」
「…あ、あの、あれは、その、」
「びっくりしたよ。まさかキスするとは」
「…誰にも言わないで」
「言わないよ、別に。俺が誰かに言ったところで何もないし」
「う、うん」
「で？つきあってんの？」
「…つきあってない」
「は？じゃあなんでキスすんの？」
「…先生がしたいって言うから」
「Aは好きなの？」
「…うん、好き。でも先生はどう思ってるか分からない」
「ふーん。大人はずるいな」
「…ずるいよね、ほんと」
「まぁせいぜいバレないようにな」
潤くん、いいやつなのかな？
分かんないけど、とりあえず黙っててくれるならいいか。
「ねぇ、」
「ん？」
「連絡先、教えて」
「え、」
「猫背の人にも先生のこと言えてないんでしょ？」
「うん、言ってない。てか、言えるわけない」
「じゃあ男の俺にしか相談できないことあるだろうし、交換しよ？」
「あー…うん」
男心は全くもってわかんないし、色々と教えてもらお。
「先生の何がいいの？」
「え、何って…んー、声が一番好きかな。初めて先生の声を聞いた時、すごく心臓がぎゅーってなったの、今も覚えてる」
「ふーん。声ね」
今じゃあの声で下の名前呼ばれたりして…
もっと好きになった。
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作者名：浅井 | 作成日時：2019年3月2日 12時
