一線を越える…？ ページ15
「…無防備すぎ」
あれから家に帰ってすぐ着替えてコンビニでゼリーやらジュースやら色々と買い込んで今Aの部屋にいるわけだけど…
「確かに寝ろとは言った」
言ったよ、確かに。
でもさ、制服のまま布団もかけないで寝てやがんの。
寒いだろうにさ。
そんで、制服のままだからスカートなわけ。
「生殺し？」
スカートから伸びる細い足とか、ちょっとはだけたシャツとか、熱が上がってるのか赤くなった頬っぺたと、少し荒い息。
「俺、耐えれる？」
好きな女が目の前でそんな格好で寝られたら俺はもう俺との戦いでしかない。
「…ゲームでも、するか」
とりあえず布団かけよう、うん。
そっからゲーム。
ひたすらゲームしてたら気にならない…はず。
「よし」
とりあえず、布団に乗ってるAの身体をよけようとAを抱き抱える形になる。
これは偶然というか、別に意図してやってるわけじゃない、断じて。
「…あー、耐えろ、俺」
熱い身体、耳元にかかるAの息。
だめだだめだ、考えるな俺。
「せ…ん、」
「ん？起きた？」
「せん、せ…」
Aの寝言？
「A？」
「せんせ…い、キス、」
「は？」
「キス、して…」
"先生、キスして"？
どんな夢見てんの。
先生って誰…？
「キス、して…」
俺の首に腕を回し、キスしてとせがむ。
「だめだろ、こんなの」
…誰の夢を見てんのか知らないけど、そっちが悪いから。
寝言だろうが知らないよ、もう。
「ん…、」
キスしてって言うからしてやる。
俺のキスにAは応える。
…もう、どうにでもなれってやつ。
「っ、はぁ…、」
俺は夢中でAの唇に吸い付く。
二人きりの空間、誰にも邪魔されない。
いや、邪魔させない。
もう止まらない。
「A…、」
俺、お前が好きなんだよ。
昔からずっと。
…これからもずっと好きだよ。
片想いのままでもいい。
お前が誰かを好きになってもいい。
「A、好きだよ」
「ん…、」
…今は俺のものになって、A。
「ごめん…止まんないわ、」
最低なのはわかってる。
わかってるよ、そんなの。
「…」
お前が誰かを好きになるなんて嫌だ。
片想いのままなんて嫌だ。
「Aが欲しい…っ、」
欲しくて欲しくてたまらない。
誰にも渡したくない。
俺のものにしたい。
「好きだよ、A」
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作者名：浅井 | 作成日時：2019年3月2日 12時
