先生、私の気持ち気づいてよ…【名前変換オリジナル】

16話 変わらない気持ち ページ18

大樹side


俺は小さい頃からAが好きだった

笑うと笑窪が出来る頬も、明るく喋ってくれるところも昔から好きだった

小学生の頃、俺がまだ幼くて小さかった頃。


『男の癖に女みてえな顔しやがる』

『気持ち悪ー』

『おい、こっち近づくなよオカマー』


何て女子にも男子にも気味悪がられてた。

頭も悪かったし、運動も何もかも出来なくって、おまけに女っぽい顔付きで。

そんなのいじめられて当然だった。…けど、


『ちょっと、皆やめてよ』


俺の前に居たのは一人の背が小さい女の子で、まるで俺を庇ってくれていた


『そんな悪口言って楽しい？そんな汚い自分をさらけ出して、あんた達の方がよっぽど気持ち悪いわ！』

(…え、何この子…)

『…っ、行こうぜ』

『う、うん…』


いじめてた奴等は早々と逃げていき、その子と俺だけが残った


『大丈夫？』

『あ、ありがとう…』


手を差し伸べしてくれて、彼女は心配そうに見てくれた

昔から女の子みたいな顔つきで、まるで女の子みたい、って何人もの人に言われていた

いわゆる、童顔って奴。


『良かったー。大丈夫そうで』

『あ、あのっ。お名前は…』

『え？あーっと…A。奥田A！』


彼女は考えるより行動する方で、何か困ってたりすると助けに行ってたりもした

俺にとってAは恩人だし、何か役にたちたいと思っていた

だから勉強、運動も努力して彼女の為に役にたてるようにと頑張ってきた

昔から正義感溢れる女の子、だったな。


…勿論、今も変わらず好きでいる

中学の頃の進路はAの行きたい高校に合わせ、随分と中学から離れた高校に入学した

委員会や役員に推薦したのも、Aと一緒に活動したかったから。

依存症、なんて言われても構わない

Aを傷つけるような事なんてしたくないし、寧ろ守ってやりたいくらいだ

昔と違って身長や顔つきも男っぽくはなったし、今はいじめられる事なんて無い


けど、高校に入学してから少し気になることがある


楠先生、だったっけ。


朝も一緒に登校してたような部分とチラッと見たし、その時は気にしてまでいなかったけど。

ストーカーじゃないけど、良く見掛けるんだよね、この二人。

チクッと小さな痛みが自分の胸を刺していた

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