16話 ページ18
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「まったく気持ち悪い」
「そんな形をしているんだから俺を楽しませろ」
「この出来損ないが！」
痛い、痛い、痛い！
髪が痛い、身体が痛い、
「もうおやめ下さい主殿！弟の代わりに私が！！」
「黙れ一期！お前は引っ込んでろ！！」
一兄が手入れしてもらえないのは僕のせい？
「主様ごめんなさい！」
「申し訳ありません！」
弟たちが泣くのは僕が期待に応えられないから？
「泣いちゃダメだよ」
「兄弟達をよろしくな」
兄弟が折れたのは僕のせい？
僕が、僕が、僕が......
近侍としての役割を果たせなかったから？
今度は上手くやる、何でもする、だからだから
「ねぇ、主さん僕と乱れよ？」
どうか、兄弟を折らないで
_________
伊吹「お客さんが来てるな」
「....1振だけみたいだけど」
離れの部屋の中から漏れている気配
隠す気もないということは....
伊吹は襖をガラリと開けるとそこには
「ねぇ、主さん僕と乱れよ？」
身体中がボロボロで虚な目をした乱藤四郎が座っていた
乱「ねぇ、僕何でもするよ？、主さんの望むまま
何がいい？出陣？演練？内番？夜伽？僕頑張るから」
伊吹「乱....藤四郎？」
乱「大丈夫、なんだってする...だからだから、」
こちらの言葉が聞こえていない
というか、伊吹だけしか見ていない？
そう思った時、乱藤四郎と目があった
乱「誰その人、ねぇお願いだから僕の邪魔しないでよ！！」
伊吹「Aッ！！」
そう言い放つと同時に刀身を剥き出しにして
突っ込んでくる乱
スピードがありすぎて、離れの庭まで飛ばされたが
結界だけは間に合って刀は刺さってない
乱「どうしてどうして、お願いお願いだから兄弟をッ....！」
譫言のように呟く言葉
初代の近侍を務めていたのは確か乱藤四郎だった
「大丈夫、大丈夫、貴方の兄弟を折ったりしない
夜伽もしなくていい、私がさせないから絶対に」
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作者名：翠連華 | 作成日時：2022年7月12日 23時
