・ ページ18
「いや別に悪くはないけど?
…で?何でこんなところにいるの?
もう下校時刻、とっくに過ぎてるよ」
あー笑った、なんて言いながら目尻の涙を
手で拭いながら聞いてきた。
何かこの人と話していると調子が狂うな…
なんて思いつつ口を開く。
「友達と話してて…」
・・・・・。
ここはやっぱり…
トイレ行った後に、迷っちゃって〜って
…素直に聞くべき?
いや…絶対嫌だし。
恥ずかしいし。
この人に言ったら
絶対笑われるのは目に見えてる。
だから…
「散歩です」
なんて…
「・・・・・」
私絶対馬鹿だぁっ!!!
もっとマシな嘘ってもんがるでしょーに
何でよりによって散歩!?
自分でツッコムのもどうかと思うけど…
自分の馬鹿さ加減に呆れた…。
しかも、先生は唖然として
こちらに視線を向けたまま固まっている。
「もしかして…迷った?」
「ち、違いますっ!!」
まさかの大当たり!!
おかげで動揺丸出しな私。
「だって日本語おかしいじゃん。
友達と話してて散歩ですって絶対おかしい…」
「お、おかしくないです…」
若干語尾が小さな声になってしまった。
「迷ったんだ?」
「迷ってません。」
「迷子の子猫ちゃん?」
「迷子じゃありませんし
子猫でもありません。」
「・・・・・」
「・・・・・」
「ぶっ!!!」
「なっ何ですか!?」
淡々と会話を続けていると思ったら、
いきなり彼が噴出して吃驚した。
しかも体を折って思いっきり笑ってる。
237人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ