二元恋立方程式【まふまふ】 (ページ14)

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何？

何なの？

意味がわからない…｡

私は玄関のドアを背に､ズルズルと座り込んだ｡

正確には足の力が抜けて､座り込んでしまったと言った方が正しい｡

｢え…え？｣

私の頭の中はひたすら真っ白｡

取り乱すというよりか､頭の中が真っ白すぎて何も考えられない状態｡

体を動かす事も出来ず､私はただその場所で呆然とするばかりだった｡

｢・・・・・｣

数分間だろうか…､私はやっと落ち着きを取り戻すと､今度は羞恥心が芽生えてきた…｡

わっわたし…､相川先生とキス…｡

指でそっと､自分の唇に触れるとさっきの出来事が鮮明に浮かんできて､私の心臓が物凄い速さで動きだした｡

先生にキスされた時の事を思い出したら､顔が熱くなって自分の頬が紅潮するのがわかった｡

｢って!!何思い出してんのっ!!?｣

熱くなった頬を両の手のひらで包み込みながら､独り叫んだ｡

・・・・・｡

でも､先生のあの言葉を思い出した瞬間､私の熱は急激に冷めていく｡

本当に小さな声だった｡

小さな声で先生は言った｡

"うら子"…と｡

あの時､そう呟いた先生の顔は､何とも言えない表情で私を見つめていて焦ったような､困惑したような…
そんな感情が入り混じった表情をしていた｡

それは､正に間違えました､と言わんばかりの表情｡