Ep49 ページ49
「おはよ〜」
「おはよォ！」
あれからすっかり熱も下がって、清々しい朝だ。
目的地が近づいてくると、同じ制服の学生たちもおのずと増えてくる。
きょろきょろと辺りを見回すけれど、『あのひと』の姿はない。
熱が下がって、ようやく学校に来れたと思ったのに。
──まさか、本当に移っちゃった？
なんて思っていると、すこし向こうを歩いている女の子たちの声。
「おはよ〜仗助！」
うっス、と聞きなれた声がして、その声はおそらくわたしが探していた『あのひと』の声で。
わたしが振り返る前に、コツコツと靴の音が近づいてきた。
「A〜ッ！よお、熱は下がったみてーだな！」
「わあッ……仗助くん！」
「元気そうでなによりだぜ」
朝からとびきりの笑顔だった。
仗助くんのそれにつられて、わたしも思わず笑顔になってしまう。
「みんなが会いに来てくれたおかげだよ、それに───仗助くんに会いたかったし……」
ぽろりと漏れた本音が、一瞬遅れて──恥ずかしい言葉を言ってしまった、なんて思ったけれど、事実なのだから仕方がない。
昨日のことを思い出して、すこし照れくさい。
「ずいぶんと可愛いこと言ってくれるじゃあねぇかよ」
昨日みたいにくしゃくしゃと頭を撫でてくれて、まるでいたずらっ子のように笑ってみせる仗助くん。
ずっと片想いをしてきて、けれど仗助くんの気持ちを受け取ってみて、今のほうがずっと緊張しっぱなしだ。
──朝から、こんなにどきどきしていてはこの先思いやられるなぁ。
なんて思うのはしあわせな証拠なのだろうか。
ふたりで並んで行く通学路は、いつもよりずいぶん短く感じられたような気がする。
二日も外出していないせいなのか、清々しい今日の天気のせいなのか、──それとも。
教室へ入ると、康一くんと億泰くんが昨日みたくにやにやしながら待ち構えていた。
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紫羅那＠お絵描き部(プロフ) - 絵がうますぎる…… ヾ(>ω<ヾﾉ三ヽ^ｼ>ω<)ﾉｼ (2019年5月7日 19時) (
レス) id: 824c90f62e (このIDを非表示/違反報告)
麦(プロフ) - 蜂さん» 蜂さんありがとうございます〜！そう言ってもらえてメチャクチャ励みになります……頑張ります！ (2019年5月3日 21時) (レス) id: f8001bfddc (このIDを非表示/違反報告)
蜂(プロフ) - 更新おつかれさまです！絵も文も好きすぎて！！無理せず頑張ってください！ (2019年5月3日 15時) (レス) id: fb72653bef (このIDを非表示/違反報告)
麦(プロフ) - 庄さんさん» 庄さん ありがとうございます……！！絵のほうも文のほうも頑張りたいと思います！ (2019年5月2日 2時) (レス) id: f8001bfddc (このIDを非表示/違反報告)
庄さん(プロフ) - 絵、上手....!!!もちろん小説の方も最高でいらっしゃる....!! (2019年5月2日 0時) (レス) id: 126b5dc4ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麦 | 作成日時：2019年4月23日 13時
