Ep48 ページ48
「………………」
感触が離れていって、わたしが目を開けると──仗助くんはわたしから顔をすっと逸らした。
「仗助くん……いま…………」
「……熱っつーか、これで風邪も治るんじゃねーーかな……なんて……」
──死んでしまう。
状況を理解した瞬間、心臓が壊れるみたいに鼓動が早くなる。
「A、……俺は、お前のことを守りたい」
ぽつぽつと呟くように口を開く仗助くん。
「Aの真っ直ぐなところとか、芯の強いところとかよォ、……全部、好きだ」
「俺はAが好きだ。だから────告白の返事なんざ野暮なことは言わねぇ。……俺と、付き合ってくださいっス！」
しん……とする室内。
「よ、……よろこんで…………お受けします」
一拍遅れて、まるで蚊の鳴くような声で言ってみると、まるで緊張がぱちんと切れたように仗助くんが大きなため息をついた。
「ッッだぁ────！！マジに緊張したぜ！！！！！！こんなに緊張するもんなんだな！？」
いつもの調子の仗助くんに、さっきまでの雰囲気なんて忘れて笑ってしまった。
「仗助くん、わたし……嬉しい」
仗助くんと、お付き合いできる──そう思うとすっかり照れてしまって、布団を頭まで被った。
「おいおいA！顔見せろよ！」
「だ、だって！恥ずかしいから！」
ばっとその布団をはぎ取られる。
ひどく顔が熱い。
いいや、きっとこれは熱のせいだ──。
仗助くんを見上げてみると、目が合っただけでどきどきしてしまう。
「仗助くん…………」
「…………」
ふ、と視界が暗くなると、くちびるにはふたたび柔らかい感触。
仗助くんの体温がつたわってくる。
「……ほんとに、風邪──移っちゃうかも」
「いーよ、どうせ俺、風邪なんて引かねぇたちだし。もらってやるよ」
夕暮れ、空はすっかりオレンジ色で、外ではからすが鳴いていた。
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紫羅那＠お絵描き部(プロフ) - 絵がうますぎる…… ヾ(>ω<ヾﾉ三ヽ^ｼ>ω<)ﾉｼ (2019年5月7日 19時) (
レス) id: 824c90f62e (このIDを非表示/違反報告)
麦(プロフ) - 蜂さん» 蜂さんありがとうございます〜！そう言ってもらえてメチャクチャ励みになります……頑張ります！ (2019年5月3日 21時) (レス) id: f8001bfddc (このIDを非表示/違反報告)
蜂(プロフ) - 更新おつかれさまです！絵も文も好きすぎて！！無理せず頑張ってください！ (2019年5月3日 15時) (レス) id: fb72653bef (このIDを非表示/違反報告)
麦(プロフ) - 庄さんさん» 庄さん ありがとうございます……！！絵のほうも文のほうも頑張りたいと思います！ (2019年5月2日 2時) (レス) id: f8001bfddc (このIDを非表示/違反報告)
庄さん(プロフ) - 絵、上手....!!!もちろん小説の方も最高でいらっしゃる....!! (2019年5月2日 0時) (レス) id: 126b5dc4ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麦 | 作成日時：2019年4月23日 13時
